マッシュアップは儲かるか--大ブームの現状と可能性 - (page 3)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年04月26日 22時04分

ツールの無償提供

 サポートを受けたり、自らの作成したマッシュアップの商用化を行いたいと考えている企業には、MicrosoftやAmerica OnlineのMapQuest、Placebaseという新興企業が有料で技術をライセンス供与している。

 しかし、大半のマッシュアップが利用しているのは、GoogleやYahoo、 Microsoft、MapQuestが無償で公開しているAPIだ。そして、これらの企業は一般に、マッシュアップサイトに対して、有料で地図を使わせることや、広告販売以外の方法で利益を得ることを認めていない。Googleなどの各社はこの技術を無償で提供し、開発者がそれを使ったマッシュアップサイトを制作できるようにしており、いずれはこれらのなかに広告が掲載される可能性もある。

 Googleは先ごろ、自社の地図APIに関するサービス条件に修正を加え、大量のアクセス(1日あたり50万ページビュー以上)を集めるマッシュアップサイトに対して、Googleに連絡を取るように求めた。同社の開発者向け製品担当マネージャー、Bret Taylorによると、これはトラフィックの増加に対応できるだけの帯域幅を同社が準備できるようにするための措置だという。また、Googleはマッシュアップで使われている地図に広告を掲載する際、その90日前に開発者に通知していくとしているが、ただし地図への広告掲載に関する計画があるとは認めていない。

 「われわれは必ずしも直接的なやり方で利益を上げようとしているわけではない。いまのところ、広告プログラムを開始する予定は1つもない」(Taylor氏)

 Microsoftもまた、地図への広告掲載ならびに各マッシュアップとの売上分配を計画していると、同社のTom Bailey氏(Microsoft Virtual Earth担当マーケティングディレクター)は述べている。「われわれは、これらの数多くの顧客と協力しながら、われわれにとって最適な売上分配の方法であり、かつ開発者にとっても非常に魅力的であるようなやり方を見つけ出していく」(Bailey氏)

 マッシュアップサイトのなかには、Platialのように、直接的な広告の表示を望まないところもあるが、何らかの売上分配があれば気にしない、という者もいる。

 「私にとって、問題にはならないだろう」と、人気のマッシュアップ「Gmaps Pedometer」を制作したPaul Degnan氏は言う。「道路地図や衛星画像があるかぎり・・・わずかばかりの広告が出ていても、それが邪魔になることはないだろう」(Degnan氏)

 「なかには、広告を邪魔に感じる者もいるかもしれない。しかし、そのためにマッシュアップを利用しなくなる人がいるとは思わない」(Degnan氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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