Internet2--現状と今後の展望 - (page 3)

Marguerite Reardon(CNET News.com)2004年09月06日 10時00分

未来を見据えて

 Corbatoによると、インターネットは過去15年間にわたって、1年に約2倍の割合で成長してきたという。研究者らは、この年間100%増の傾向が今後も継続するとの確信を持っており、Internet2の研究者らはすでに次世代の超高速ネットワーキングに目を向けている。

 Corbatoは、「最大データ転送速度10Gbpsの Abileneネットワークにおける現在の平均データ転送速度はおよそ1〜2Gbpsだ」と述べた上で、「高等教育では、指数関数的増加という視点で物事を考えることがよくある。この考え方でいくと、新しいアプリケーションに対する需要がゆくゆくは普通のIPネットワークの容量を上回るとの考えも、あながちこじつけとは言えない」と語った。

 Internet2の研究者らは現在、IPパケットスイッチングと動的に供給される光路(「lambdas」)の両方を使用する、ハイブリッドネットワークを設計している。このプロジェクトは、大学や研究機関に加え、通信事業者から余った光ファイバの回線容量を大量購入している民間企業も参加するコンソーシアム、National LambdaRailと協力しながら進められている。HOPI(Hybrid Optical and Packet Infrastructure)と呼ばれる同プロジェクトでは、大容量かつ動的供給が可能なIPルータおよびラムダスイッチを装備した広域lambdasを採用する。

 現在HOPIのある設計チームは、Internet2の全国に広がるバックボーン、各地域の光回線ネットワーク、National LambdaRailのリソースを利用したテストベッド構築の計画段階にある。National LambdaRailの光ファイバを利用する利点は、研究者らが、従来のInternet2バックボーン上のトラフィックを妨げることなく次世代インターネット設計のための実験が行なえる点だ。

 Corbatoは、「第2世代Abileneの構築が半分ほど完成した時点で、IPルーティングと光スイッチングとを組み合わせた高性能ネットワークの必要性を認識した」と述べ、さらに「われわれは今後もInternet2での技術革新を続け、これらの技術を組み合わせていく。ただ、従来の電話網とインターネットのように、互換性を持たない2つのネットワークの併存という事態は避けたいと考えている。そのため、パケットネットワークと光回路ネットワークには最初から確実に互換性を持たせる必要がある」と語った。

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