UQコミュニケーションズは2月26日、高速無線通信技術「モバイルWiMAX」を利用したモバイルデータ通信サービス「UQ WiMAX」を開始する。まずは東京23区、横浜市、川崎市で提供し、6月末までに東名阪にエリアを広げる。
料金はデータ定額で月額4480円。別途、登録料が2835円かかる。契約期間に縛りは設けない。
モバイルWiMAXはIEEE 802.16eと呼ばれる通信規格。理論値では下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの通信が可能だ。UQコミュニケーションズの実験では、室内に基地局を設置した場合、実測で下り約17Mbps、上り約4Mbpsの速度が出ていた。基地局は500局程度で開始し、夏までには1000局程度にまで拡大する方針だ。
データ端末は、USBスティック型の「UD01SS」、コネクタが最大180度回転するUSB接続型の「UD01NA」、ExpressCard/34型の「UD02SS」、PCカード型の「UD02NA」の4種類を用意した。端末価格はUD01SSとUD01NAが1万2800円、UD02SSとUD02NAが1万3800円となる。
なお、2月26日から6月30日までを「お試し期間」とし、基本使用料、登録料ともに無料とする。また、2月3日から15日までの間、モニター5000名を募集し、データ通信カードを無償貸与する。東京23区、横浜市、川崎市に住んでいる人で、満20歳以上の個人が対象。本人名義のクレジットカードを持っていること、アンケートに答えることなどが条件となる。同社サイトにて申し込みを受け付ける。
東日本旅客鉄道(JR東日本)と協力し、JR東日本が運営する山手線など首都圏44駅の構内に基地局を設置するという。2012年末までには全国の主要エリアをカバーし、人口カバー率を90%にまで高めたい考えだ。
このほか、公衆無線LANサービス「UQ Wi-Fi」を提供し、加入者がエリア外でもインターネットを使えるようにする。利用料金は無料。東海道新幹線などの交通機関において提供する考えで、2009年秋より開始する。
UQコミュニケーションズはKDDI、インテルキャピタル、JR東日本、京セラなどが出資している。2007年12月21日に総務省からモバイルWiMAXの免許を受けていた。
IntelがWiMAX対応チップセットの販売を進めており、7月までにはWiMAX対応のノートPCが市場に登場する見込みとのこと。今後はUMPCと呼ばれる小型ノートPCやデジタルカメラなどの家電もWiMAXに対応していくという。
初年度の目標加入者数は「数十万件」(UQコミュニケーションズ代表取締役社長の田中孝司氏)。これとは別に、UQコミュニケーションズのインフラを利用してサービスを提供するMVNOが登場する見込みで、ニフティなど20社からの申し込みを受けているとした。
通信端末は同社サイトのほか、量販店でも販売する。ただし、「本命は組み込み」(田中氏)としており、WiMAXのチップセットがあらかじめ組み込まれた端末が各社から提供されることを期待している。
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