電気通信事業者協会(TCA)が9日発表した4月の携帯電話契約数によると、新規契約から解約を差し引いた純増数は、「au」の売れ行きが好調だったKDDIが24万9400件と9カ月連続で首位をキープした。ソフトバンクモバイルも16万35600件と健闘したのに対し、NTTドコモは6万5800件と苦戦を強いられた。番号ポータビリティ(番号継続制)の影響で、他社に8万4000件の転出超過を許したのが響いた。
4月は通常、最大の商戦期である3月を終え販売が縮小するが、ドコモは例年にはない落ち込みを記録。4月の純増数は前月に比べ77・9%も減り、番号継続制の呪縛(じゅばく)から抜け出せない。ドコモの中村維夫社長は「番号継続制の影響は次第に薄くなってくる」と強調するが、それでも他社への契約流出に歯止めがかかっていない。
KDDIは地上デジタル放送に対応した端末が売れ行きを伸ばし、ソフトバンクは3月商戦後も基本料が2カ月無料となるキャンペーンを続けたのが貢献した。
番号継続制に伴う転出・転入状況では、KDDIが差し引き8万4700台の転入超過で7カ月連続増加し、ソフトバンクも4700台の転入超で、初めて転入が上回った。ドコモが草刈り場とり「独り負け」が鮮明になった。
ただ、ドコモも「反撃する」(夏野剛執行役員)と巻き返しに向け躍起。夏商戦に向け、携帯向け音楽配信「着うた」の定額制や、1台の携帯で2つの番号とメールアドレスが持てる機能など業界初のサービスを盛った最新型シリーズ「904i」を今月から投入する。
KDDI、ソフトバンクも22日に夏商戦の新機種を相次ぎ発表する予定で、ドコモの新サービスが、消費者に受け入れられるかが、苦境脱却のカギを握りそうだ。
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