スペイン、バルセロナ発--アフリカや中国、インドといった発展途上地域はかつて、費用がかかりすぎて利益を生み出せない地域と見なされていたが、今では携帯電話業界のドル箱だと考えられている。
現地時間2月14日に「3GSM World Congress」で行われたパネルディスカッションによれば、ヨーロッパなどの多くの先進地域における携帯電話普及率が90%を越えたことで、携帯電話事業者や携帯電話機メーカーは、携帯電話どころか通常の固定電話も使ったことがない人々もいるかもしれない新市場に目を向け始めているという。
この話題は当地のカンファレンスで広く議論されており、携帯電話事業者であるVodafoneやOrange、Telenor各社はそれぞれ戦略説明や公式発表を行っている。
Vodafoneの最高経営責任者(CEO)Arun Sarin氏は2月13日に行った基調講演で、「われわれのビジネスにとってインドは大きなチャンスだ」と述べるとともに、「われわれは、農村地域への進出をとても楽しみにしている。こういった農村地域に進出すると必ず、人々は(電話での)おしゃべりが大好きだと分かる。彼らの通話でわれわれの基地局はすぐにフル稼働するようになる」と述べている。
新興市場には既存インフラへの対応や、低コストの携帯電話機の開発、普及を促すサービスの提供という難関が残されている。しかし、新興市場はその潜在的な契約者数の多さによって、携帯電話市場の成長源となるだろう。
現在、世界の携帯電話加入者はおよそ22億人である。専門家らの予測によれば、この数字は2007年中に30億人にまで増加し、その増加は主にインド、中国、アフリカ、ラテンアメリカのような国の新規加入者によるものとなるだろうという。発展途上国市場ではおよそ3人に1人しか携帯電話機を所有していないため、携帯電話事業者はその市場で利益を上げられるに違いないと確信している。
例えば、業界のリーダーであるVodafoneはカンファレンスの前夜、インドの携帯電話事業者Hutchison Essarの株式を獲得したと発表した。なおインドでは、国民の約13%が携帯電話機を所有している。VodafoneのSarin氏は、数年以内にインド市場の40%を握る、すなわち加入者5億人を獲得できるだろうと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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