NECは1月26日、IP電話を用いたスパム(SPAM over IP Telephony:SPIT)を撃退する技術「VoIP SEAL」を開発したと発表した。SPITを利用者同士の通信を接続する前にSIPサーバ内で検知・遮断することにより、IP電話利用者をスパム電話から守る。
VoIP SEALは、人間からの電話とスパム生成ソフトを用いた電話とをSIPサーバ上でのチューリングテストによって区別し、利用者同士の通信を接続する前に通話時の応答パターンに基づいて不正を検知・遮断する。同技術を用いたSPITの撃退シミュレーションでは、99%のSPITを検知・遮断し、利用者のIP電話を鳴らさずに防御することができたという。
また、モジュール構造の採用により、個々のSPITに対応したモジュールを追加・更新することで、システム全体に手を加えずに新種のSPIT攻撃に迅速に対応できるほか、SIPサーバ、SBC(Session Border Controller)、ホームネットワーク機器、端末機器などの多様なハードウェアに合わせたシステムのカスタマイズを柔軟かつ容易に行うことができる。
IP電話は、安価な通話料金で利用者にメリットをもたらすが、同時にスパム攻撃を仕掛ける側にとっても使いやすい通信手段となりうるため、今後、IP電話の普及にともない、自動広告通話や通話フィッシング詐欺など、SPITが急速に広まる恐れがある。NECは今後、SPITがIP電話利用者にとって大きな脅威となる前に、VoIP SEALを同社のVoIPソリューションの一つとして早期に実用化することを目指し、研究開発に注力していくとしている。
なお、VoIP SEALは、2月12日から15日までスペイン・バルセロナで開催される「3GSM World Congress 2007」に出展される。
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