ソフトバンクモバイルは連日のMNP(携帯電話番号継続制度)に関するシステム障害について10月30日、都内で会見し、現状の暫定的処置と今後の対策などについて説明した。現時点で対策費用は数億円程度になる見通しで、今期の業績および新規参入に関する金融政策に大きな影響を与えそうだ。
記者会見では同社社長の孫正義氏と専務(情報システム担当)の阿多親市氏が出席。28〜29日のMNPに関する受付業務停止について陳謝するとともに、30日時点では同受付業務を再開していると訴えた。
システム停止の理由については、「予想以上に申し込みが殺到した」(孫氏)ことに加え、家族割引などで複雑なシステム処理が発生したためとしている。
まず、29日までの対策に関しては、当初のシステムより2倍となるシステム増強を実施。システム的にバイパスを通す暫定的な処置を施したほか、人員の増強も図ったという。「人員増強とシステム的に解決できるものであれば、予算に関係なく実施する」(孫氏)としており、対策費用は数億〜十億円程度になる見通しだ。
今後は週末に向けた商戦に備え、MNPの受付を最優先し、連休に関しては機種変更など既存顧客へのサービスを事実上受け付けないこととした。
30日からピーク時(11〜13、17〜19時)はMNPに関する受付業務を最優先。他社とのやり取りに関する対応時間にも制限を設けた。11月1〜5日に関しては、全面的にMNP受付を優先し、緊急を要するもの以外では、既存顧客の通常受け付けを行わない。これを受け、11月中に機種変更を申し込んだ既存客には、500円相当のポイントを贈呈することで対応する。
また、他社への通話が割高との観測が高まったことに対応し、11月10日から他社の普及プラン料金に合わせ、他社への発信料を30秒あたり20円へ値下げすることもあわせて発表した。これにより、店頭での説明負荷を軽減できると見ている。
さらには、2年契約の分割払いプランについて、1年半と1年の分割払いのプランを新設することで、2年間の縛りを嫌う見込み客の不安を解消する狙いだ。
孫氏は「MNPの本質においては貢献していると思う。料金が魅力的でなければ、これほどの注目を集め、申込者が殺到することはなかった」と記者団の批判に反論した。
なお、2007年1月15日までの申し込みを優遇する料金政策が、電気通信事業法違反になるのではないかと競合他社から問題視されていることについては、「1月15日以降の料金プランは決定事項ではない。今後、専門家を交えて協議する」(孫氏)とコメントした。
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