NTT西日本は10月27日、「ひかり電話」と「ひかり電話オフィスタイプ」で10月23日から25日にかけてつながりにくい状況が発生したことに対し、原因と対策を発表した。
23日と24日の障害は、ひかり電話とひかり電話以外への通信を制御する「中継系呼制御サーバ」(CAサーバ)と、加入者データを収納して通信を制御する「呼制御サーバ」(SIPサーバ)とを連携する「呼処理サーバ」(SIP連携サーバ)の処理能力不足が原因。このSIP連携サーバの処理能力を超えるトラフィック(通話量)が流れ込んだために輻輳(ふくそう)が発生した。
これによりCAサーバが影響を受け、ひかり電話サービス全体の安定化を図るために部分的に通話規制を行ったため、輻輳に至った。NTT西日本では25日に、この対策のためにSIP連携サーバの緊急増設を行っている。同社は、新たに増設したSIP連携サーバの運用開始にともない、安全運用維持のために通話規制を実施していた。
しかし、一定のトラフィックが加わった時点で、一部のCAサーバと、加入電話とひかり電話などのほかのネットワークを相互接続する「相互接続用関門交換機」との情報のやりとりに想定外の「制御信号の衝突」が異常発生した。
これが原因で一部のCAサーバが高負荷状態になったため、通話規制をして輻輳に至ったという。制御信号の衝突の異常発生という現象について、NTT西日本は、「これまで経験したことがないもの」だと説明している。
同社では25日に、制御信号の衝突を防止するため、輻輳制御の見直しを行うとともに、CAサーバに収容している回線の収容替えを行った。
今後は、7月12日に発表した品質向上の取り組みに加え、「ひかり電話」ネットワーク全体の処理能力や設備の性能評価の再チェックなどを行い、信頼性の向上と故障対応の迅速化に取り組んでいくとしている。
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