米上院商務委員会は米国時間6月27日、論議を呼んでいる「放送フラグ」と呼ばれるコピー防止システムを復活させる案を可決した。ただ、一部の上院議員からは同システムに対する懸念の声も上がっている。
27日の同委員会の会議では、広範な通信法案に関する議論が行われた。その中で委員らは、デジタルテレビ放送の受信者が無線テレビ放送番組を(特にインターネット上で)再配布することを禁止する案を支持した。この案では、デジタルラジオ放送の受信者に対する「音声放送フラグ」と呼ばれる同様のシステムの導入も可能になる。
またその会議では、委員長のTed Stevens上院議員(共和党、アラスカ州選出)が、広範な通信法案の中で最も厄介な規定の1つであることが判明したネットの中立性に関する議論を延期した。上院議員らは、28日の午前7時(太平洋夏時間)にネットの中立性に関する議論を開始する予定で、その際に提出されると見られるいくつかの修正案に関する採決も行われる。
同通信法案全体が法制化されるには、同委員会の最終的な承認を得た上で、さらに上院全体の承認も得なければならない。また上院の通信法案は、放送フラグまたは音声放送フラグに関する規定が盛り込まれていないなど、多くの面で下院案と異なっているため、両案の調整を行う必要もある。下院議員らは27日午後に、この問題を検討するための公聴会を開催する予定だ。
このフラグに関する規定は、とりあえず上院商務委員会では何ら修正されることなく無難に通過したようだが、John Sununu上院議員(共和党、ニューハンプシャー州選出)は、同案が上院に提出されれば、修正案の提出を強く検討しているとう。(商務委員会では記録投票は行われなかった。)
「私は、フラグに関する文言(を通信法案に盛り込むこと)について懸念を抱いている。というのも、これは技術に関する命令であり、技術に関する命令は技術革新や市場への様々な製品の流入を妨げる可能性があるからだ」(Sununu氏)
エンターテインメント業界の支持を得ている音声や映像用のフラグは、海賊行為の防止を目的としている。連邦通信委員会(FCC)は2003年11月、大手映画製作会社の懸念に対処するために、録画された無線放送番組で作られたビデオクリップの(特にインターネット上での)再配布の防止機能がないデジタルテレビ製品の「販売または配布」を違法とする規則を制定しようとした。
しかし、連邦裁判所は2005年春に、FCCにはそのような規則を制定する権限はないとの判決を下した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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