ワシントン発--米国時間6月21日に連邦当局が認可した計画が実施されると、Vonageのようなインターネット電話サービスの契約者推定400万人が受け取る請求書には、料金項目が新しく追加されることになるはずだ。
米連邦通信委員会(FCC)は当地で開催された月例会議において、VoIPサービスのうち、公衆交換電話交換網(PSTN)に接続するサービス--SkypeのようなPtoP接続によるサービスとは異なる--を提供するすべての通信事業者に対して、ユニバーサルサービス基金(Universal Service Fund:USF)に寄付を義務付けるという提案を全員一致で可決した。
73億ドルという規模のこの基金は、米国の特徴ある政策として70年以上に渡って、過疎地域や貧困層に電話サービスを提供するための助成金を拠出してきた。この基金はまた、学校や図書館に対して割引料金でインターネットサービスや電話サービスを提供するという「E-Rate」というプログラムを実施し、物議を醸している。
現時点では、無線、公衆電話、従来の電話、DSLサービスを含めた通信事業に携わるプロバイダーのみが、遠距離通話の売上に対する一定の割合の金額をUSFに寄付することを義務付けられている。これに対して、VoIPサービスプロバイダーも同様の寄付を義務付けられるべきかどうかは不明瞭なままだった。
また、このFCCの決定によって、携帯電話サービスのプロバイダーに対する寄付金額の割合も引き上げられる。ただし現時点では、料金値上の対象となる顧客の数や、その金額については明らかになっていない。なぜなら、携帯電話サービスプロバイダーの支払額を決定する3種類の計算式のうち、今回寄付率が引き上げられたのは1種類だけだからだ。こういったプロバイダーが、変更のなかった2種類の計算式を引き続き選択すれば、その顧客は追加のサービス料金を支払わなくても済むだろう。
業界団体であるCTIA-The Wireless Associationの広報担当Joe Farren氏は、「確かにわれわれにとっては、顧客が政府に対してより高い税金や料金を支払わされることすべてが懸念材料だ。しかしそれは、通信事業者や、事業者のアプローチ次第だ」と述べている。
FCCのWireline Competition Bureau(通信競争事務局)責任者Thomas Navin氏によれば、今回の制度は即日有効となり、新たな料金は2006年後半から顧客の請求書に反映されることになるだろうという。同氏は、各サービスプロバイダーの異なる顧客間の値上げ額の差については、さまざまな要因によって異なるため、「私には典型的なシナリオを1つだけ挙げることはできない」という理由で予測することはできないとした。
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