無線帯域を大切に--Research In MotionのCEOが使い放題の料金プランに警鐘

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月06日 19時47分

 米国時間6月5日、Research In Motionの社長兼共同最高経営責任者(CEO)であるMike Lazaridis氏は、無線データ通信を制限なくユーザーに使用させることは、ワイヤレス革命に悲惨な結果をもたらすだろうとの警告を業界に向けて発した。

 現在当地で開催中の通信技術の見本市「GLOBALCOMM 2006」で行った基調演説のなかで同氏は、通信事業者は、無線インターネットサービスの展開方法を慎重に検討すべきだと述べた。

 「どんなに狭い帯域であっても、無償ではない。今ここで何らかの経済的なメリットを確立しなければ、今後、ネットワークの研究などなされなくなるし、何の改革も行われなくなってしまうだろう。通信事業者各社がネットワークを効率よく利用するよう促すことで、他の通信と混戦したり、ネットワークの容量をすべて使い切ってしまったりすることがないようにする必要がある」(Lazaridis氏)

 無線事業者各社は、過去数年間にわたり数十億ドルもの資金を費やして、自社のネットワークを3Gネットワークへとアップグレードし、より多くの通話を処理したり、高度なデータサービスを提供させたりしてきた。各社ともすでに、モバイル端末によるインターネットの閲覧、電子メールのダウンロード、テレビの視聴などを可能にする新しいアプリケーションの提供を開始し、売り上げの増加を目指している。

 現在、Verizon Wireless、Cingular Wireless、Sprintの主要携帯通信会社3社はどこも、月額80ドル程度の固定料金で無線データ通信を好きなだけ利用できるというサービスを提供している。SprintとCingularの2社については、各月のユーザーの使用量に応じて課金する料金制度も設定している。

 しかしながら、Lazaridis氏は、最も基本的なデータアプリケーションでさえ、音声通話よりも多くの帯域を必要とするため、無線データの利用がさらに進めば、こうしたユーザーに無制限の使用を許可するような料金制度は、業界にとって壊滅的な影響をもたらすことになるだろうと警告している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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