インデックス、「放送と通信の連携は魅力コンテンツありき」--mobidec 2005

 「まず、コンテンツありきだ。通信と放送が融合、または連携して何ができるかではなく、視聴者が求めるものに、放送と通信でどう応えるかが重要である」――11月30日に秋葉原コンベンションホールで開催されたモバイル関連イベント「mobidec 2005」のセッションで、インデックスの執行役員経営戦略局長である寺田眞治氏が語った。

 通信業界では、ブロードバンドの普及と端末の高機能化に伴い、ダウンロードやストリーミングによって映像をPCや携帯電話で楽しめるようになった。この一方で、放送業界では2006年4月に「ワンセグ放送(携帯電話向けテレビ放送)」の開始を控えており、2008年にはサーバ型の放送開始も予定されている。HDDやLAN端子搭載のテレビ、レコーダー機器も増え、一般ユーザーにとっては放送と通信の違いが希薄していく傾向にある。

 そうした中、各分野から放送と通信の融合技術でさまざまな可能性が次々と提案されている。しかし、もっとも重要なのは「コンテンツ」であり、そもそも魅力あるコンテンツがなければ視聴者に支持されることもなく、双方向性も必要とされないという。放送と通信が融合(連携)した先の可能性を探るのではなく、視聴者のニーズを満たすために、最適化したソリューションを提供していく必要性を説いた。例えば、テレビドラマ番組の視聴中にショッピングサイトに誘引するのは、番組視聴を中断させ、せっかくの番組を潰す結果になり、必ずしも理想的なソリューションとは言えないのだという。

 寺田氏は、日本におけるコンテンツサプライチェーンを、わかりやすく人気アニメーションのマーケティング展開例で説明した。まず、原作の漫画出版とテレビ、映画放映が同時に展開され、加えて音楽やゲーム、玩具やキャラクターグッズの販売など、映像以外のマーチャントも同時に展開される。この総合展開には、出版や放送、玩具、ゲーム業界などいろいろな業界が関わることとなる。このマーケティングの軸となっているのは原作漫画、すなわち「魅力あるコンテンツ」なのだ。

 「何ができるか」ではなく、ユーザーの1つの要求に対し、決済や端末、マーケティングのあらゆる方向から、インデックスグループ各社が有するさまざまなサービスを柔軟に対応させることで、ユーザーにとってもっとも快適なソリューションを作り上げていくというのがインデックスの考えるメディア融合であり、放送と通信の融合(連携)もこの中に位置づけられている。

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