今年も欧州では、一足早い夏がやってきた。英国のブロードバンドサービス企業Telewest Groupによると、ロンドンでは企業経営者が、これまでより多くの従業員に対し、在宅勤務を認めるようになっているという。
企業や政府機関にブロードバンドサービスを提供するTelewestは、現地時間29日、同社のVPN(Virtual Private Network)サービスを利用する顧客が2005年上半期中に20%以上増加したことを明らかにした。また同期間中に、Telewestの法人顧客は、自宅や遠隔地で勤務する従業員のためにネットワークの帯域幅を23%追加したという。
同社では、この傾向は在宅勤務者の急増によるものだと考えている。欧州では今夏、大半の地域が猛暑に見舞われると考えられていることから、この傾向はさらに加速するとTelewestは予測する。
Telewestによると、欧州のなかでもロンドン市民は特に在宅勤務を熱望しているという。同社によると、ロンドン地下鉄の平日の利用者は300万人以上で、市民の平均通勤時間は45分〜1時間だという。
「地下鉄は暑いし、ダイヤも乱れている。市内に向かう主要道路は渋滞しているし、会社についても空調の効きが悪い。さらに混雑時には電車の運賃が加算される。こうした事情から、ロンドンでは、これまでにないくらい在宅勤務する人が増えている」とTelewestは29日の声明の中で述べた。
ロンドンの気温は先ごろ摂氏32度近くまで上昇したものの、今週に入り20度台と涼しさを取り戻している。
Telewestはまた、職場の電話に着信したコールを自宅の電話や携帯電話に転送する顧客も増えていると述べる。同社の提供する企業向けネットワーク上を流れるデータや音声のトラフィックが21%伸びたのも、在宅勤務者の急増が原因だと同社は考えている。
在宅勤務者の数は米国でも増加している。米国では、2004年に、半月に1日以上の在宅勤務を行った人は3000万人近くいる。この人数は前年よりも10%ほど多いと、在宅勤務を専門とするコンサルティング会社JALA Internationalは試算している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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