ソニーは米国時間1日、「Instant Video Everywhere(IVE)」という新サービスを発表し、年間10億ドル規模と言われるインターネットテレビ電話市場への参入を果たした。
IVEは、まずは企業向けに提供される。同社は、企業向けの「IVE Business」で提供されるテレビ会議サービスの音質や画質について、テレビ放送とほとんど変わらないとしている。同サービスの利用料金は月額500ドル。また来週には、あらゆるブロードバンド接続を利用してテレビ電話が利用できる「IVE Mobile」の提供が開始される。年間契約者は月額35ドル、そのほかのユーザーは月額45ドルで同サービスを利用できる。
ソニーはGlowpointとの提携の下、IVEサービスを提供する。Glowpointはニュージャージー州ヒルサイドに本社を構えるテレビ電話サービスプロバイダ。同社は、利用時間無制限のテレビ電話サービス「All You Can See」や本物のオペレータをテレビ電話で呼び出せる「Live Video Operators」サービスなど、使いやすく先進的なサービスで知られている。
ソニーはまず、企業をターゲットにIVEを売り込む。またソニーのバイスプレジデントEric Murphyによると、同社では個人ユーザー向けのIVEサービスも計画しており、ホームエンターテインメントやゲーム機器をはじめとする個人向け人気製品の品揃えを拡充する予定だという。
「会議室の外でもテレビ会議を」とMurphyは表現する。ソニーのみならず、Cisco Systems、テレビ電話サービスプロバイダPacket8など、多くの企業が個人ユーザーの取り込みを狙っているが、これは難しい挑戦となりそうだ。
まず、一般の個人ユーザーは、インターネットテレビ電話にさほどの関心を寄せていない。また、テレビ電話を実現するのに必要な機器を購入できるだけの資金力があり、操作の難しいこれらの機器を使いこなせるのは、企業だけだった。とはいえ、企業ユーザーの間でも、インターネットテレビ電話が普及しているとは言い難いのが実状だ。調査会社Point Topicの発表によると、2004年におけるビデオ電話用機器の総売上高は4000万ドルだったという。この数値は、前年より23%多いものの、関係者の期待には届かなかったという。
しかし、何年にもわたる商品開発の成果が表れ、近頃は、これらのサービスの使い勝手が向上し、低価格化も進んだ。テレビ電話サービスのプロバイダらは、IP電話の利用者が増えていることから、同様の技術のうえに成り立つテレビ電話サービスも普及すると主張する。
「以前は企業で利用されていたツールが、『ビジネス以外』の用途で家庭でも利用され始めるということは、他の製品でもよく見られる傾向だ。テレビ電話サービスが個人ユーザーにも受け入れられるか、そのうち分かるだろう」(Murphy)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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