Cisco Systemsの無線機器が、Indy 500のレースに参加する。
米国時間29日の「Indianapolis 500」に出走するRed Bull Cheeverチームのレーシングカーには、Ciscoの無線IP機器が搭載されている。Alex BarronとPatrick Carpentierの2人のドライバーは、これを利用して、ピットにいるエンジニアたちに情報をフィードバックすることになる。この機器は、エンジンの温度から速度、タイヤ圧まで、すべての詳細を伝えることができる。
「CiscoのWi-Fiソリューションを利用することで、われわれはレーシングカーから得られる情報量を劇的に改善できる」と、Formula Oneのベテランレーサーであり、Red Bull CheeverのオーナーであるEddie Cheeverは述べている。「また、コミュニケーションのやり方を再編成し、これまでよりもかなり素速く情報にアクセスして、それを分析できるようになる」(Cheever)
BarronとCarpentierが乗るマシンはそれぞれ、耐震/耐熱加工したCisco Mobile Access Routersを搭載しており、それがレース場のいたるところに設置されたローカルのWi-Fiネットワークを通して、車載の遠隔測定センサーシステムから180チャネルのデータを転送することになる。また、車内からの音声/ビデオ信号も無線で転送されるため、ドライバーがピットのクルーと直接交信することも可能。そして、ノートPCで動作するカスタムソフトウェアを使って、ピットのクルーはデータを分析し、各ピットでマシンに対して何をすべきかを判断する。
このWi-Fiソリューションは、以前に同チームが使っていた無線通信システムよりはるかに進化している。旧システムでは必要なデータをすべて転送するだけの十分な帯域を持ち合わせておらず、トラック上のすべてのポイントから信号を転送することができなかったと、Cheeverは述べている。
ピットのクルーらは、直接通信に無線IP電話を用いており、リアルタイムで他の人間やデータを解析するエンジニアと交信することもできる。
Cheeverは、Formula Oneレースではビッグネームの1人だ。その名声はチームを勝利に導く記録を樹立しただけにとどまらず、レース技術に変革をもたらした人物としてもよく知られている。同氏のチームは、1年以上前からCiscoと共同で、Formula One用に特化したWi-Fi機器の開発を進めてきている。
同チームでは、すでに他のレースで新型装置を使用しているが、最大のレースイベントであるIndy 500で使用されるのは、これが初めてとなる。
Cheeverは、Ciscoと共同で開発したこのソリューションを商用化し、他のレーシングチームに販売することを計画している。また同氏は、このCisco製機器をパブリックセーフティといった他の目的にも簡単に応用できると考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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