富士通は4月5日、モバイル映像中継システム「モバイル映像中継ソリューション」の販売を開始した。カメラマンがリュックサック型の無線映像伝送装置を装着するので、ケーブルを必要とせず、自由に現場を移動しながら撮影が行える。映像はインターネット経由で直接スタジオに伝送できる。税別価格は390万円から。同日出荷を開始した。
同システムは、同社の「屋外ワイドエリア型無線LAN技術」「IP映像伝送技術」をベースに開発した。無線LAN(IEEE 802.11g)機能内蔵のリュックサック型映像伝送装置IP-3650を中核とし、映像伝送装置IP-700IIj、アクセスポイントWL-1100などで構成する。
大規模な障害物がなく見通しのよい環境では、アクセスポイントから半径約420mのエリアで通信が可能。双方向の音声通信が利用でき、本部とカメラマンのあいだで指示や確認などのやり取りが行える。アクセスポイントは認証機能と動的に変化する暗号キー生成機能を備えているので、不正アクセス、盗聴、なりすましを防げる。
「中継車両など大がかりな放送設備を用いることなく、低コストの映像中継が実現する。行政分野では、災害/事故現場のリアルタイムかつ的確な状況把握が可能になるので、迅速な意思決定に貢献する」(同社)
同社では、放送業界および官庁、自治体を中心に、2007年度末までに計300システム、50億円の受注を目指す。
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