KDDIは3月23日、PC用のサイトが携帯電話から見られるサービス「PCサイトビューアー」の利用に定額制を導入すると発表した。5月1日より適用する。
第3世代携帯電話CDMA 1X WINのすべてのパケット通信料割引サービスにおいて、Eメール、EZwebとPCサイトビューアーの利用料金を合わせて月額5985円(税込み)で使い放題となる。Eメール、EZwebのみの場合は、今まで通り月額4410円(税込み)となっている。ただし、PCに接続してインターネットを利用する場合は利用量に応じた従量課金になる。
PCサイトビューアーはKDDIがauにおいて提供しているサービス。現在利用できる端末はOperaを搭載したW21CAのみとなっているが、「今後はWINで複数の端末を用意する。(新機種の)全機種とは言えないが、かなりの割合で出てくるだろう」とKDDI au事業企画本部 au事業企画部 課長補佐の多田一国氏は話す。
これまでPCサイトビューアーは利用時間に応じた従量課金体系が採用されており、パケット定額制が利用可能なjigブラウザなどが注目を集めていた。多田氏も「価格面では(jigブラウザなどの)勝手アプリを意識した部分もある」と認める。
実際にユーザートラフィックの推移を見ると、ユーザーが従量課金を気にして利用を抑えている様子がわかったという。「月の中頃になると、急に利用が伸びなくなっていた」(多田氏)。定額にすることでユーザーに安心感を与え、月額5985円まで利用していないユーザーの利用量を伸ばしたい考えだ。また、エキサイトと合弁で設立した会社「Duogate(デュオゲート)」が運営するポータルサイトを通じて、新たな事業機会を探りたいとしている。
多田氏によると、当初定額制を導入しなかったのは「PCサイトビューアーによるトラフィック増がどの程度になるか予測がつかなかったためだ」という。携帯電話向けのサイトならば1ページあたりの容量がある程度決まっているが、PC用サイトは決まりがないからだ。PCサイトビューアーのサービス開始から3カ月程度たち、基礎データが収集できたことで「事業性のある値付けができるようになった」とのことだ。
コンテンツ事業者から見れば、PCサイトビューアーのようなフルブラウザは既存のビジネスモデルを破壊する危険性もある。たとえばニュースサイトの場合、月々数百円で携帯電話向けのサイトを提供しているが、同じニュースがPC用サイトでは無料で見られることもあるからだ。この点について多田氏は、「基本的には自由競争の世界でやっていただきたい」と距離を置く姿勢を示す。
KDDIから見ると、携帯電話向けコンテンツから得られる情報料のうち、着メロや待受画像のように携帯電話向けに特化したコンテンツが大部分を占めるからだ。さらにPCサイトビューアーからは動画や音楽ファイルをダウンロードすることはできないため、着メロや着うたを提供する事業者にはさほど影響が出ないと見ているようだ。
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