富士通、携帯電話用の地上デジタル放送受信向け省電力ΔΣAD変換機を開発

ニューズフロント2005年02月09日 16時44分

 富士通は、地上デジタルテレビ放送や地上デジタルラジオ放送を受信する携帯電話向けの、デルタシグマ(ΔΣ)方式アナログデジタル(AD)変換器を開発した。同社が2月9日に明らかにしたもの。消費電力が低く、放送の長時間視聴が可能になるという。

 同変換器を使用すると、携帯電話に搭載するチューナーの消費電力を、現在の約3分の1から6分の1という30mWに低減する。直交周波数分割多重(OFDM)復調器とのワンチップ化により、携帯電話の小型化も期待できる。

 そのほかの主な特徴は以下の通り。

  • 地上デジタル放送受信用としては世界で初めてダイナミックレンジの広いΔΣ方式を採用し、AD変換器の高精度化を実現した
  • 可変利得機能を実現するにあたり、分解能を可変可能とした。その結果、増幅回路の追加を回避でき、消費電力の増加を抑制した
  • 容量素子と抵抗素子による位相補償回路を開発したことで、必要な増幅回路の数を従来の2分の1とし、低消費電力化を実現した
  • 電源電圧1.2Vで消費電力は2.5mW

 詳細は、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の国際固体素子回路会議(ISSCC2005:2005 IEEE International Solid-State Circuit Conference)で発表する。

富士通のプレスリリース

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