サンフランシスコ発--Nokiaは米国時間24日、論争を巻き起こしているマイクロチップを搭載した携帯電話機の開発に取り組んでいることを明らかにした。このチップ--いわゆるRFIDタグは、製品情報の保存や位置情報の送信に使われるもの。
RFIDタグは、なかに保存された製品情報を簡単に送信できることから、倉庫業者や一部の小売業者の間で人気を集めている。Nokiaでは、RFIDを使った携帯端末への製品情報送信が実現すれば、RFIDには従来のサプライチェーンを超えた新たな応用の可能性が開けることになり、消費者向けのサービスや商品のマーケティング、ブランドマネジメントなどに使われることになる、と述べている。
同社ディレクターのGerhard Romenは、こうした新しい用途の例として、小売業者によるクーポン配布の仕組みを紹介した。このシステムでは、店頭の棚に「ここに携帯電話機で触れてください」というRFIDを内蔵したサインを掲げ、消費者がこのサインに電話機を寄せると、クーポンが送信される。そして、同じサインのあるレジで、その情報を転送すると、その分の割引金額が引かれるようになるという。
Nokiaは当地で開催されたCTIA Wireless I.T. & Entertainmentというイベントで、VeriSignと共同で開発したこのシステムの初期プロトタイプをデモしていた。VeriSignではRFIDデータを集める中央レポジトリを提案している。このプロトタイプは Nokiaの5140モデルをベースにしたもので、電話に付属するシェルのなかにRFID読み取り装置が含まれている。
RFID搭載電話の発売時期について尋ねられたRomenは、「まだずっと先のことだ」と述べた。
RFIDをめぐる問題の1つはプライバシーで、消費者の権利擁護団体は、RFIDが野放しのまま普及してしまうと、大きな事故が起こりかねないとしている。彼らの主張によれば、将来目に見えないRFID読み取り器のネットワークが形成され、消費者の挙動や所持品、読書傾向などが逐一追跡されるようになるという。ただし、こうしたシナリオは技術的な理由から、現時点では実現不可能だという点で、大方の意見は一致している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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