サンフランシスコ発--Macromediaのある幹部によると、電話機のユーザーインターフェースにおける支配権をめぐり、携帯電話会社と端末メーカーが争っているという。
これまで米国以外の主な携帯電話会社は、携帯電話のデザインに関してあまり強い影響を及ぼさずに来た。そのため、メーカーは自由に技術革新を図ることができた。しかし現在は、日本のNTTドコモやVodafone、欧州のOrangeがメーカー側に対し、メニューやボタンを使って特定の機能を実現するよう繰り返し要求している状況だ、とMacromediaのモバイル/デバイス事業担当プレジデントJuha Christensenは6日(米国時間)サンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Conferenceで述べた。
ゲームや着信音のダウンロードといったワイヤレスアプリケーション売上は昨年1年間で20億ドルにも上っており、この問題は、競ってその分け前に与ろうとしている開発会社に影響を与えている、とワイヤレスソフトウェアメーカーDigital Chocolateの最高経営責任者(CEO)Trip Hawkinsは言う。
Macromediaでは、かつて派手なウェブ広告のフォーマットとされていたFlashを、インターネットアプリケーションの配信やインタラクティブなウェブサイト構築のベースとしても広範に普及させようと考えている。同社は現在、携帯電話でのファイルダウンロードや、電話会社が設定した電話機のさまざまな機能の変更を、Flashを使って実現することを計画している。
Flashを普及させるうえで、携帯電話はますます重要な役割を担うようになっている。昨年NTTドコモは、携帯電話会社としては初めてFlashコンテンツを提供する契約を結んだ。Macromediaは現在、70社以上の携帯端末メーカーおよび携帯電話会社とライセンス契約を結んでいる。
「われわれはFlashを何億台もの電話に搭載している。その結果として、新しいユーザーインターフェースをアップロードするという全く新産業が誕生するだろう」とChristensenは言う。「携帯電話機メーカーも携帯電話会社も、顧客が何を求めているか分かっていないと思う。しかしながら、両者の間では、誰がインターフェースを支配するかで争いが起きている」(Christensen)
ニューヨークにあるNTTドコモのオフィスからは、すぐにコメントが得られなかった。OrangeやVodafoneの代表はコメントを拒否している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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