あるレポートによると、最近高い関心を集める「WiMAX」が普及するまでにはまだ何年もかかり、また米国より先に欧州とアジアで根付きそうだという。
調査会社Parks Associatesが先週発表した調査によると、通信事業者が提供するWiMAXサービスの契約者数が、全世界で700万人に達するのは2009年末になる見込みだという。通信事業者は、固定版WiMAXの提供から開始する。つまり、WiMAXサービスは、家庭や法人の契約者を対象に提供開始されることになる。
WiMAXは、数マイルの範囲内で、数Mbpsの通信速度での双方向のインターネットアクセスを実現する無線技術。同技術の支持者は、WiMAXが、DSLやケーブルによる有線ブロードバンドサービスと対抗できる技術だと見ている。WiMAX設備の設置には道路を掘り返す工事が必要ないため、通信事業者にとっては設置コストを抑えつつ、DSLやケーブル並みの速度を実現できるからだ。
この技術は、従来の有線ネットワークが経済的あるいは物理的な事情で行き届いていない遠隔地に、特に大きな利便性をもたらすと期待されている。Parks AssociatesのシニアアナリストMichael Caiは、WiMAXはおそらく、欧州とアジア地域で最初に普及に成功するだろうと述べている。
WiMAX製品やサービスを提供する企業は、途上国に高い需要を見出しそうだ。途上国では、有線インフラが十分に提供されており、音声とデータの両サービスに対する需要が高い。
WiMAXは先日、開発過程にある各種の無線ブロードバンド技術間の競争で、他の技術に一歩リードすることができた。先月末、固定版WiMAXの「802.16-2004」標準が業界団体により承認されたのだ。これにより、低コストでの機器の開発と販売に拍車がかかることになる。だが、これらの製品の量産は、2006年末まで待たなければならないといわれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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