ワシントン発--米議会でインターネット電話の規制をめぐる議論が行われている。早くも、党派によって意見が分かれているようだ。
米国時間7日に行われた下院小委員会の聴聞会で、VoIPテクノロジーにどのような規制を適用すべきかの議論が行われた。
「VoIPに不当な規制を課したら、このテクノロジーが秘めている計り知れない可能性をつぶしてしまう恐れがある」とFred Upton(ミシガン州選出:共和党)は、VoIP規制を取り上げた最初の聴聞会の1つで口火を切った。 下院電気通信小委員会の議長を務めるUptonは、「VoIPプロバイダを既存の通信事業者と同じように規制すべきではない」と警告した。
小委員会の民主党主席議員Ed Markey(マサチューセッツ州選出)は、この自由放任主義的な態度からは程遠い姿勢を示した。Markeyは音声通話が電話回線ではなくパケットを通して提供されるからといって、「消費者のプライバシーに関する規則、支払い請求に関する規則、不正行為からの保護、サービスの良心的な価格設定の重要性」を心配する必要がなくなったわけではないと述べた。
委員会では民主党議員として最高地位にあるJohn Dingell(ミシガン州選出)は、さらに批判的な態度をとった。同議員は、SkypeやPulver.comのFree World Dialupが提供する、インターネット上のみで完結する音声通話は、従来の政府による電話サービス規制の対象外とした2月の米連邦通信委員会(FCC)の判断を「極めて厄介なもの」として批判した。「この場を借りてFCCに言いたいが、FCCは議会がつくったものであり、議会はFCCの気まぐれで音声サービスに関する規制が解除されることは望んでいない」(Dingell)
7日の聴聞会は、議会が前日に、従来の通信事業者に適用されているものと同じ規制をインターネット電話プロバイダにも課すべきだという法案が議会に提出されたことを受けて開かれたものだ。
VoIPプロバイダ側は、同テクノロジーを潜在的に有利な財源として見る州政府から保護されることを期待する一方、FBIと司法省はこの生まれたばかりのテクノロジーに関しても電話と同様の通信傍受を可能にするための取り組みを行っている。また、米国税庁(IRS)と財務省は、既存の電話通話に課税する3%の消費税をVoIPサービスにも適用することを検討中だと米国時間2日に発表したばかりだ。
「きっと民主党にはもっと保守的な考えをする層がいる。彼らはVoIPについて、従来の電話サービスと非常によく似ているのだから、同じように扱うべきだと考えているだろう」と、Progressive Policy InstituteバイスプレジデントのRobert Atkinsonは述べた。
「一方、VoIPをインターネットアプリケーションとしてとらえ、インターネットと同様に扱うべきだ、と考える議員がいる」(Atkinson)。「一般に、New Democratが後者の陣営に含まれると考えられる。また、本質的に規制緩和を好む共和党員も、この陣営に属する」。Atkinson議員の一派は、アーカンソー州知事時代のBill Clintonがかつて議長を務め、「New Democrat」として名をはせた中道派「Democratic Leadership Council」の一部である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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