ワシントンD.C.--携帯電話業界の先駆け的存在であるCraig McCawは、当地で開催された「WCA 2004」カンファレンスで講演を行ったが、同氏の所有するClearwireという企業が提供するワイヤレスブロードバンドサービスに関して沈黙を守った。
McCawが同カンファレンスで、Clearwireの提供するサービスの詳細を明らかにするとの推測を掲載していたメディアもあったが、同氏は「すでに報道されているとおりだ」と述べるにとどまり、参加者を落胆させた。
McCawは、かつてMcCaw Cellular Communicationsを立ち上げた、携帯電話業界の億万長者だ。McCaw Cellularは、最も早く携帯電話市場に参入し成功を収めた事業者のひとつで、1994年にAT&Tに買収された。同氏はまた、携帯電話会社Nextel Communicationsや衛星携帯電話プロバイダーICOの大株主でもある。
Clearwireは、フロリダ州ジャクソンビルとミネソタ州セント・クラウドで、この夏にサービスの開始を計画している。このサービスを全国展開すれば、同社は有線のブロードバンドサービスプロバイダーや大手携帯電話各社と渡り合うことになるだろう。
携帯電話会社が現在提供しているワイヤレスインターネットアクセスの通信速度は、最大で500Kbpsだが、今後2.4Gbpsまで引き上げられる予定だ。Clearwireは、最大1.5Gbpsのサービスを提供するとみられている。
McCawはすでに何カ月もかけて、この新しいベンチャー事業の準備を進めてきている。同氏は昨年7月にNextNetへの投資を発表したが、この会社は地理的に電話線や光ファイバーを敷設することが困難な地域に、高速インターネットアクセスを提供するための装置を開発している。 Clearwireはその後NextNetを買収し、そのネットワークを自社のサービスのバックボーンに利用しようと考えている。世界各地の合わせて20カ所で展開している同ネットワークは、メキシコ、カナダ、米国、アジアの各国をカバーすると、ClearwireはMcCrawの講演後に発表した声明のなかで述べている。
いわゆる固定無線アクセス装置の初期のものは、アクセスを提供するためのアンテナと、家庭やオフィスの屋上に設置される受信機を結ぶ直線上に障害物があってはならないことから、ブロードバンドサービスプロバイダーの関心を十分に集めることができなかった。
NextNet WirelessやBeamReach Networks、Navini Networks、IPWirelessから出されている装置では、この問題が克服されている。その結果、同技術に対する通信会社や投資家の関心が急速に高まっている。
アイルランドや韓国のブロードバンドサービスプロバイダーや、米国のインターネットプロバイダーVerizon Communications、Sprint PCS、BellSouthは現在、それぞれ固定無線アクセス装置の評価を行っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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