ウルトラワイドバンド(UWB)技術の発展を促し、この無線技術をベースにした製品の市場への導入を早めるべく、2つの業界団体が協力することになった。
WiMedia Allianceは米国時間15日、MultiBand OFDM Alliance(MBOA)が発表していたUWB技術を承認し、同団体およびその無線技術仕様を支持すると表明したとIntelの関係者が16日に正式に認めた。IntelはWiMedia AllianceとMBOA両方の会員となっている。
UWB技術が導入されれば、多くのPCや家電製品が、半径10メートル以内、最大毎秒480メガビットの転送レートで互いに無線通信できるようになる。
調査会社Farpoint Groupのアナリスト、Craig Mathiasは今回の動きの動きについて、業界のデファクトスタンダード策定への取り組みが前進していることを表しており、UWB技術はお役所仕事で身動きがとれなくなり、ほかのワイヤレス技術に取って代わられてしまう、との懸念を緩和するのに役立つと語っている。
「これで市場の状況が一気に改善する。標準策定が行き詰まり状態となっているが、それでも業界団体の取り組みは前進しており、デバイスのリリース時期も、これまで考えられてきた時期より早まる可能性が高い。問題は、市場の規模とデバイスの登場時期だ」(Mathias)
UWBチップは、2005年中旬までにはリリースされる見込みだ。Intelの通信技術研究所で広報担当を務めるStephen Woodによると、これらのプロセッサを搭載したデバイスは、早ければ同年末までに発売される可能性があるという。
UWB技術は、Bluetoothに代わる技術と考えられる場合が多い。この技術を利用すればBluetoothより大量のデータをワイヤレスで送信できる。
しかし、UWB技術の発展は、技術を巡る面倒な争いから危機に瀕していた。IEEE(米国電気電子通信学会)の会員はMBOAの提案の方を支持していた。ところが、Motorolaをはじめとする各社が提案した別の標準が、MBOA側の技術の承認を邪魔するほど多くの支持を取りつけてしまった。そして、2つの競合する派閥が標準の策定を完成を遅らせている。ある標準を完成させるためには、標準化作業を進める企業の75%の承認が必要とされる。
Motorolの関係者は、WiMedia Allianceの判断はまだ機密扱いで公表されていない、と話している。WiMedia Allianceの関係者はコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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