ここ1週間で2回目となる大規模な太陽フレアが発生した。フレア発生によって引き起こされた磁気嵐で、人工衛星や送電網、通信ネットワークなどに障害が生じる可能性が懸念されている。
海洋大気庁(NOAA)という米商務省の1部門の報告によると、太陽ではコロナの大量噴火であるフレアが連続して発生しており、28日(米国時間)のフレアは「過去最大級」だったという。NOAAでは先週にも同様のフレア発生を観測している。
NOAAの宇宙環境センター(コロラド州ボールダー)の研究者らによると、最も最近のフレアによる太陽放射(電磁波)は、NOAAの宇宙天気5段階評価でS3(強い)に指定されたという。またこの放射により、R4(重大)の無線通信の中断が生じた。急速に増大した太陽放射は、29日正午ごろ地球の磁場に到達し、深刻な磁気嵐を起こすだろうとNOAAの予報士は予想している。この磁気嵐は強度を変えながら、数日間持続するものと見られている。
通常、人工衛星などの技術は、太陽フレアの影響を受けることはほとんどない。しかし、今回ほどの大規模なフレア発生では、問題が生じる可能性が常にあると、少なくとも1人の通信業界の専門家は述べている。米Jupiter Researchのアナリスト、Joe Laszloは、1998年5月に人工衛星PanAmSatのコンポーネントが同様の磁気嵐によってショートしてしまい、大手ポケベル会社に影響が出た例を指摘した。
フレアは、それにより発生した粒子が地球に到達するかなり以前から観測されるため、人工衛星のオペレーターはこうした状況の前兆をたいてい十分に把握しており、ほとんどの衛星ではあらかじめセーフモードへ切り替えたり、不要な機能をオフにするなどの防護策がとられているとLaszloは言う。しかし1998年のフレア発生のケースのように、問題が発生する可能性は常に存在する。
「携帯電話ネットワークが影響を受けたという例はまだないが、過去には電力システムがシャットダウンされたという事例がある」とLaszloは述べている。「人々は、運営に人工衛星が利用されているシステムすべてを、あまり意識していないのだ」(Laszlo)
Laszloは、テレビ信号や銀行のATM(自動預払機)は、人工衛星を利用した技術としばしば関連があるという事実に注意を促している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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