ルネサステクノロジは9月24日、自動車や通信分野など向けのマイコン「M32C/80シリーズ」において、「M32C/84グループ」3モデル、「M32C/85グループ」6モデル、「M32C/86グループ」1モデルの合計10モデルを製品化すると発表した。M32C/84グループとM32C/85グループは2003年9月25日に、M32C/86グループは同年11月にサンプル品の出荷を始める。
M32C/80シリーズの主な特徴は以下の通り。
- 動作周波数32MHzのCPUコアを搭載:
M32C/80のCPUコアは、動作周波数32MHzで最小命令実行時間は32.2ns。32ビット演算回路を内蔵し、転送命令、バレルシフタによるシフト命令などの機能を備える。
- 自動車/通信分野向けの周辺機能を内蔵:
車載用ネットワーク仕様Controller Area Network(CAN)やISDNなどで使われる通信プロトコルHigh level Data Link Control(HDLC)に対応する回路を内蔵する。
- 大容量フラッシュメモリを搭載:
最大512Kバイト+4Kバイトのフラッシュメモリを内蔵する。単一電源で動作可能で、512Kバイトの書き込みにかかる時間は約7秒。
- M16Cファミリとの互換性を維持:
命令や周辺機能についてM16Cファミリと互換性がある。さらにM32C/83グループ、M16C/80グループ、M16C/60シリーズのLSIに対し、ピン互換性を備えている。
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左:LQFP-144 中央:LQFP-100 右:QFP-100
M32C/85 グループ |
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各モデルの主な仕様は以下の通り。
【M32C/84グループ】
- CANコントローラー:1チャネル
- フラッシュメモリ:512Kバイト+4Kバイト
- RAM:24Kバイト
- パッケージ:100ピンQFP(M30843FJFP)、100ピンLQFP(M30843FJGP)、144ピンLQFP(M30845FJGP)
- サンプル単価:3000円
【M32C/85グループ】
- CANコントローラー:2チャネル
- フラッシュメモリ:512Kバイト+4Kバイト(M30850FJFP、M30850FJGP、M30852FJGP)、384Kバイト+4Kバイト(M30853FHFP、M30853FHGP、M30855FHGP)
- RAM:16Kバイト(M30850FJFP、M30850FJGP、M30852FJGP)、24Kバイト(M30853FHFP、M30853FHGP、M30855FHGP)
- パッケージ:100ピンQFP(M30850FJFP、M30853FHFP)、100ピンLQFP (M30850FJGP、M30853FHGP)、144ピンLQFP(M30852FJGP、M30855FHGP )
- サンプル単価:3000円
【M32C/86グループ】
- CANコントローラー:2チャネル
- フラッシュメモリ:512Kバイト+4Kバイト
- RAM:24Kバイト
- パッケージ:144ピンLQFP(M30865FJGP)
- サンプル単価:3500円
なお同社は同グループのマスクROM版の開発を進めており、2004年5月より順次量産を開始する予定。さらに、CPUの動作周波数を64MHzに高めた上位製品「M32C/90シリーズ」の開発も計画している。
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