京セラは7月17日、下り最大1Mbpsの高速移動通信システムを発表した。これは東京ビッグサイトで開催中のWireless Japan 2003において、同社代表取締役社長の西口泰夫氏が明らかにしたもの。
西口氏によると、下り最大約1Mbps、上り最大約350kbpsのデータ通信が可能といい、平均でも850kbps程度の速度が出るとしている。さらに、時速40〜50キロで移動していても接続が切れないことが実験で確認されているという。通信端末はPCカード型を想定し、これをノートパソコンに差し込んで利用する。
京セラが今回発表したシステムはArrayComm社のi-BURST技術を利用したもの。西口氏は「システムの開発はほぼ終わっている」と話しており、現在は世界各地で実証実験を行っている最中だ。
今回のシステムについて西口氏は、「多くの人が1つの基地局に1度にアクセスしても、比較的安定した速いスピードが保てる」と語る。 さらに「安い通話料金でも通信事業者がサービスを提供できるような価格で基地局が提供できる」(西口氏)として、高速かつ安価な常時接続サービスが実現できると話した。
日本国内でのサービス展開については明らかにしなかったが、現在世界各地でフィールド実験を行っており、オーストラリアではすでに1社が導入を決定しているという。現地時間の1月26日にはサービスを開始する予定とのことだ。他にも韓国ですでに実証実験が行われているほか、中国や米国でも実験が予定されているとした。
京セラでは現在IEEE802.20委員会に対し、この規格を含めた新しいインターネットアクセス方式をMBWA(Mobile Broadband Wireless Access)という名称の国際標準規格として働きかけているという。
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