米Microsoftと米Sun Microsystemsは、携帯電話ユーザーのゲームや着信メロディのダウンロードに課金する請求システムに注力している。ソフトウェア分野で競合するこの2社は、携帯電話事業者から収益を獲得しようと、真っ向からぶつかりそうな気配である。
携帯電話事業者は、新たな収入減として、ユーザーによるコンテンツのダウンロードに目をつけ始めた。しかし、電話会社の合併が続いた結果、現在利用されている請求システムの多くは、旧式ソフトを寄せ集めたその場しのぎのものである。通話サービスの請求には対応できても、ダウンロードサービスの効率的な請求までは手が回っていないのが現状だ。SunとMicrosoftの狙いは、このような携帯電話事業者に合理的な集中請求システムを売り込むことにある。
「携帯電話事業者が販売しているサービス自体は基本的なものだ。しかし、サービスを効率的に請求するシステムを持ち合わせていないのが問題だ」(MicrosoftのGlobal Partner部門担当マネージャーのClinton Dickey)
Microsoftは米Portal Softwareと提携し、同社の.NETプラットフォームを導入するサービスプロバイダが、Portal Softwareの請求ソフトを利用できるようにする。年内に利用可能にする予定で、「あらゆるサービスプロバイダに向ける」としているが、当初は携帯電話事業者を対象にする。
Dickeyはこのシステムの利点を次のように説明する。「Webサービスを利用するため、サービスプロバイダは請求システムの導入にソフトウェアやハードウェアを購入する必要がなく、コストを節約できる」(同氏)
またSunは米国時間6月26日に、モバイルコンテンツ販売のためのソフトウェアを手掛ける米Pixoの買収を発表した。取引は現金支払いで行われ、2003年7月〜9月期に完了する見通しだ。SunはPixoのソフトウェアを、同社のネットワーク事業者向け製品ラインに統合する。
Sunの執行バイスプレジデントのJonathan Schwartzによると、「Pixoのソフトウェアは、J2ME(Java 2 Platform, Micro Edition)などの当社ソフトウェアどうしを連携させるうえで重要な役割を果たす。J2MEは、すでに20社以上のキャリアが導入している」という。
なお、PixoはDRM(デジタル著作権管理)技術も手掛けている。このためSunは、ヒット曲の着信メロディを販売している携帯電話事業者を引きつけ、Microsoftに先行できると期待している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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