エムレポートは6月25日、2002年度における携帯電話市場の設備投資に関する調査レポートの販売を開始した。
同レポートによると、NTTドコモは2002年度上期に第3世代(3G)方式のFOMAが低調なことから対FOMA設備投資を抑制し、上期2062億円だった投資額を下期は1363億円に減らした。KDDIはCDMA2000 1x方式への移行が円滑に進んだ影響で、CDMA2000 1xEV-DO方式への投資額は通期合計1673億円(上期827億円、下期846億円)となり、前年度に比べ600億円の減額だった。一方J-フォンの投資額は、2001年度通期が700億円、2002年度通期は1200億円とVodafone Global Standard向け投資が急拡大している。
2003年度の状況については、NTTドコモは8180億円の設備投資を見込むが、46.6%に当たる3812億円をFOMA向けに投下する計画という。KDDIも3G方式への投資を増やす予定で、前年度比13.6%増の1900億円とする見込み。J-フォンの投資総額は3000億円で、そのうち2700億円をVodafone Global Standardに割り当てる。事業者各社による3G向け投資総額は8412億円となり、2001年度以降、最高の投資規模になると予測する。
2002年度上期から基地局工事の件数は減少したままで、工事関連会社には厳しい状況が続いていた。しかしNTTドコモとJ-フォンは、2003年度に3G基地局の数を倍増させてPDC方式並にする計画を立てている。その効果で、3G基地局設置工事の増加が期待できる。
なお基地局メーカーではインフラ系の業績が落ち込んでいる。そこで国内向けのみでは浮上が難しいと考え、NECは欧州に、三菱電機は中国市場への進出を図る。
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