インテル、“草の根”無線LANサービスに協力

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年06月18日 17時35分

 インテルは6月18日、みあこネットと協業し、公衆無線LANサービスの接続性の検証や認知向上のためのプロモーションを共同で行うと発表した。

 みあこネットはNPO法人の日本サスティナブル・コミュニティ・センター(SCCJ)が運営する公衆無線LANサービス。店舗や企業が自前でアクセスポイントを開設し、ユーザーは無料で利用できる、いわば“草の根”無線LANサービスだ。

 SCCJ は2002年5月に実験を開始し、京都を中心にサービスを提供している。2003年5月末のアクセスポイントは230局、アカウント登録者数は4600人となっており、2004年12月まで実験を続ける予定という。

 今回の協業により、みあこネットの公衆無線LANエリアにはインテルの無線LAN搭載チップであるCentrinoとの接続性を保証する目印が付けられるようになる。また、みあこネットからVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を経由して企業内LANへアクセスができるようになった。さらに両者は共同でプロモーションを展開し、アクセスポイントとなる企業や店舗などを増やしていく予定だという。

みあこネットの公衆無線LANエリアにはこのような目印が付けられる

 インテルはCentrinoを利用できる環境として公衆無線LANサービス事業者との連携を進めており、今回の協業もその一環。インテル取締役 通信事業本部長の高橋恒雄氏は「Centrinoにより、様々なシーンでパソコンを利用するためのプラットフォームができた。あとは、実際に使ってもらうにはどうするかだ」と話す。「公衆無線LANは電話と異なり、様々な事業者がインフラを手がけている。きちんと接続性が保証されていることが重要だ」(高橋氏)として、今後も接続性の検証に力を入れていく方針だとした。

 目印にCentrinoのロゴが入ることで、利用者に「Centrinoしか利用できないのでは」という印象を与えるとの懸念もあるが、高橋氏は「目印は他のロゴとの組み合わせになっている。インテルとしてはCentrinoも使えますということをアピールしていきたい」と話す。また、SCCJ代表理事でみあこネット事業統括責任者である高木治夫氏も、「公衆無線LANの最大の問題はどこで使えるかがよくわからないこと」と話しており、インテルとの協業によって、利用者に存在をアピールしていく考えを示した。

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