米連邦通信委員会(FCC)は米国時間6月2日、1996年の連邦通信法に関する規制緩和案の投票を行ない、3対2で規制緩和を実施することを決定した。同法では、テレビ、ラジオ、新聞などのメディア企業が所有できる放送局の数や、同一市場でテレビ局と新聞社の両方を所有する「交差所有」などを制限している。
FCCは今回の改正について、「インターネットなどの最新技術が台頭してくるにつれ、10年前の規制では時代遅れになった」ことを理由として挙げている。規制緩和の具体的な内容は以下の通り。
・テレビネットワークは全米視聴者の45%をカバーするTV局を所有することができる(現行法では35%)
・ほとんどの場合、メディア企業は上記と同じ地域で新聞社とラジオ局の両方を保有することができる
・ただしメディア企業の合併に関しては、引き続きFCCと米司法省による承認が必要
今回の投票は、数週間前から物議をかもしており、現行法を改正するかどうかを巡って、全国規模の論争に発展していた。
投票が行われた90分間の委員会ミーティングは、反企業的活動家によりしばし中断される事態となった。FCC委員長のMichael Powellは「米国ではメディアの新たな媒体手段が急増しており、これらを考慮した新たな規則が必要だ」とし、さらに「規制緩和を行わなければ、連邦通信法は確実にすたれるだろう」と付け加えている。
投票は予想通り、規制緩和を支持する共和党委員が3票、反対する民主党委員が2票という結果となった。反対票を投じた委員は「今回の規制緩和が放送内容の多様化を阻害し、ひいては民主主義の終わりにつながる」と訴えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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