富士経済は4月18日、中国の携帯電話市場の動向を調査した報告書「2003年 中国携帯電話機・部品産業の展望調査」を発表した。2002年に中国の携帯電話機生産台数が1億2700万台に急成長したことを受けて、同社が携帯電話機メーカー(海外外資企業8社、中国企業12社)や部品メーカーなど34社を対象に調査したもの。
主な調査結果は以下の通り。
- 中国は2002年11月末までに携帯電話加入者数が2億人(信息産業部電信研究院)を超え、世界一の市場となった。2002年には生産台数が1億2700万台(前年比42%増)に、中国での販売も6900万台(同47%増)に急成長した。また、輸出は約5800万台(同35%増)に達した。
- 2002年10月に中国の第3世代携帯電話周波数計画案がまとまり、各事業者には遅くとも2004年までには認可される予定である。中国の携帯電話サービス事業者は中国移動通信集団公司(中国移動)と中国聯合通信集団公司(中国聯通)の2社のみ。ただし、新規参入を検討している企業もある。
- 信息産業部電信研究院の予測によると、第3世代携帯電話市場は2004年にスタートしたのち加入者数が年間5000〜7000万人のペースで増加し、2008年には2億5000万人に達する。
- 2003年は、カラーディスプレイ搭載機が急増する見込み。外資企業の中には2003年に、カラー機の中国向け販売が30%を超えるメーカーもあり、大手中国企業もカラーディスプレイ機が主流になると見られる。
2003年以降の生産動向としては、2003年の中国の携帯電話機総生産能力が2億5000万台、全世界では約50%の生産規模となり、生産過剰のリスクが高まる。この結果、「多くのメーカーは中国市場のシェア拡大を基盤に、積極的に海外市場を開拓するようになる」(富士経済)。
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