米AT&T WirelessとNTTドコモは第3世代携帯電話(3G)サービスの計画を6カ月延期し2004年12月31日までに開始すると発表した。投資額は62億ドル規模にのぼる。
これはAT&T WirelessとNTTドコモが米証券取引委員会(SCE)に提出した修正申告により明らかになった。同社は2004年12月31日までに、少なくともサンフランシスコ、シアトル、ダラス、サンディエゴの4都市で、1000以上の基地局を備えた新しいネットワークを利用したサービスを展開するとしている。
NTTドコモは2001年に、3Gサービスを米国で展開すべく、AT&T Wirelessへの投資を行った。これは両社の長期的な提携の一環として実施されたものだ。2000年12月に締結された契約で両社は、2004年6月30日までに無線ネットワーク市場上位50のうち13の市場で、W-CDMA(wideband code-division multiple access)技術を使ったサービスを展開すると決定した。
しかし今回の修正申告では、その期限が2004年末に延期され、規模も4市場に縮小されている。
W-CDMAとは、次世代携帯電話の標準インタフェースとして注目されている通信方式で、キャリア側が設備拡張を行わなくても、ネットワーク容量を3倍にすることが可能となる。UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式としても提案されている。
米国時間12月26日にNTTドコモが米証券取引委員会に申告したところによると、AT&T Wirelessは3Gサービスを期限内に実施できなければ、NTTドコモが買収した株を買収当時の価格で買い取り、さらに利潤を支払うことになる。
「3Gサービスが期限以内に開始できないということは、ほとんどあり得ないだろう」とAT&T Wirelessの代表、マーク・シーゲルは言う。「AT&T WirelessはNTTドコモと強い提携関係にあり、W-CDMAの展開に向けて注力している。今回の合意は、単にスケジュールを確認しただけだ。」
AT&T Wirelessの今回の計画についてNTTドコモは、「北米で初めて、W-CDMA方式の3G無線データサービスを実施することになるだろう」と述べている。
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