NEC、屋外広域無線LAN基地局の配置設計システムを開発

ニューズフロント(CNET Japan特約)2003年06月04日 17時35分

 NECが、屋外向け広域無線LAN用基地局の配置設計システム、RADIOSCAPE-WANを開発した。同社が6月4日に明らかにしたもの。「この種のシステムの開発は世界で初めて」(同社)

 RADIOSCAPE-WANは、同社の屋内無線LANシステム向け電波伝播シミュレーター、RADIOSCAPEを高機能化し、屋外の無線LANシステム設計に対応させた。

 同設計システムは、ウェブ上に設けた無線環境解析サーバと、そのサーバに接続するクライアントで構成する。サーバは地図データの管理と基地局の配置設計を担当し、クライアントはサーバの地図データを利用した設計対象エリアの設定、設計結果の表示を行う。サーバはクライアントから入力される地形や建物の影響を考慮し、最小の基地局数で最大のエリアカバー率を実現するよう基地局の設置場所/送信電力/チャネル周波数配置を最適設計し、設計結果をクライアントに提供する。「無線に関する高度な専門知識が無くても、容易にシステムを設計/構築することが可能となる」(同社)

 RADIOSCAPE-WANの主な特徴は以下の通り。

  • 電波の反射/透過を解析対象としていた同社の従来方式に、新たに屋外のエリア設計に大きく影響を及ぼす回折も対象に加え、「高速で高精度な伝搬特性の解析を実現する」(同社)
  • 基地局から発信される電波同士の干渉による通信容量の劣化を最小限に抑えながら、最小の基地局数で最大の通信エリアを確保できる無線LAN基地局の配置/送信電力/周波数チャネルを決定するアルゴリズムを開発
  • 上記アルゴリズムを並列処理により高速化し、基地局数1万台規模の広域システムの最適設計が可能

 「東京23区の90%をカバーする基地局の数は、単純に規則配置すると1万4000台必要になる。同システムを利用すると、これを約9300台まで削減できる。また従来の設計手法では実際に基地局を配置してサービスエリアを測定していたが、この処理を計算により自動化できるので、設計期間の大幅短縮が可能となる」(同社)

NEC

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