ソニーは12月13日、2010年のノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏(米パデュー大学特別待遇教授、北海道大学触媒化学研究センター特別招へい教授)をエグゼクティブ・リサーチ・アドバイザー(特別研究顧問)として招へいすると発表した。材料デバイス分野、特に有機エレクトロニクス分野の研究開発領域におけるアドバイザーに就任するという。
根岸氏は、鈴木章氏(北海道大学名誉教授)、Richard Heck氏(米デラウェア大学名誉教授)とともに「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」でノーベル化学賞を受賞。有機合成における反応性を飛躍的に高める技術として世界中で広く用いられ、薬学、農薬、プラスチック、液晶などさまざまな産業の発展に寄与している。
ソニーでは、有機ELディスプレイ、フレキシブルディスプレイの背面回路などに用いる有機トランジスタ、有機太陽電池の一種である色素増感太陽電池、次世代充電池向けの電解質、植物原料プラスチックや再生プラスチックなど、有機化学や有機合成の技術を基盤とする研究開発を推進。先端的な成果を出し続けており、これらの技術を次世代のソニー製品のコア技術として実用化すべく、研究開発を続けている。
今回根岸氏を特別研究顧問として迎えることで、有機エレクトロニクスの研究開発に従事する研究者が触発され、活性化されて、ブレークスルーを生むきっかけになり、画期的なソニー製品への実用化につながることを期待するとしている。
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