Googleは10月27日、ディスプレイ広告への取り組みを広告主に伝えるキャンペーン「このスペースのこれから」を開始するにあたって都内で記者会見を開いた。会見の中でアジア太平洋地域メディアセールス部門ディレクターのShailesh Rao氏は2015年のディスプレイ広告市場についての予測を披露した。
Googleは2010年第3四半期決算(7〜9月期)で初めてディスプレイ広告事業の通年の推定収益額を予測し、25億ドルを超える見込みであると発表した。Googleの広告主トップ1000社中99%がディスプレイ広告を活用しているという。Rao氏が予測する2015年のディスプレイ広告市場は以下の5項目だ。
「動画がディスプレイ市場の成長の起爆剤、そして牽引役になる。YouTubeには1分間に24時間の動画がアップロードされている。20世紀フォックスやロッテ、リクルートなどがインタラクティブなキャンペーンを実施している」(Rao氏)
「Googleはモバイル戦略を最優先している。2014年にはモバイル機器のユーザー数がデスクトップPCのユーザー数を超えると予想されるからだ。モバイルでのディスプレイ広告はAdMobのビジネスを展開していく。またモバイル機器はウェアラブルコンピュータだ。カメラやタッチ操作など視覚、聴覚など5感にアクセスできる。モバイル機器で映画の屋外広告を写真撮影すると、端末で予告編が見られるようにするなど、さまざまな活用法がある」(Rao氏)
「ここ10年、インターネット広告はクリック数などのパフォーマンス測定を重視してきた。しかし今後は他の指標が求められる。ブランドへのエンゲージメントを計測するには、たとえば滞在時間、ビデオ再生回数、コンバージョンレート、実店舗への影響度、検索との連動度合いなどの指標が必要になる。Googleのキャンペーンインサイトというツールを使うと、ディスプレイ広告から検索数の増加、サイト訪問数の増加などが計測できる。オンラインでいつでも確認できるため効果に関するリサーチコストを圧縮できる」(Rao氏)
「静止画やFlashだけではなく、人々が参加できるようなエンゲージメントを内包したリッチメディアが使われるだろう。ビデオなどのコンテンツもこのリッチメディアに含まれる」(Rao氏)
「これからのディスプレイ広告はすべての関係者に利益をもたらす。広告主はキャンペーンへの効率性アップ、パブリッシャーはサイト価値向上、ユーザーはより意味のある情報へのアクセスが可能になる。ディスプレイ広告の市場規模は現在200億ドル程度だが、2015年には2.5倍の500億ドル規模になると想定される。なぜここまで言い切るかというと、Googleは世界中の市場を見ているからだ。Googleのトップ広告主1000社の75%がディスプレイ広告への出稿量を増やしている。Googleのディスプレイ広告はナショナルクライアント広告にも使われつつあるし、もちろん中堅の広告主も参加しやすくなっている。約2万社の中堅企業がディスプレイアドビルダーというツールを使って新たにディスプレイ広告を制作した。我々は日本を含む世界のディスプレイ広告市場に明るい未来を見ている」(Rao氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス