IDC Japanは9月29日、国内モバイルデバイス市場の2010年第2四半期(4〜6月)の実績を発表した。これによると、同期の国内モバイルデバイス市場は、対前年同期比23.1%増の2911億円となっている。
IDCの定義によれば、モバイルデバイス市場とは、各情報携帯端末と、それをサポートする通信機器のハードウェア市場とされる。代表される製品には、スマートフォン、モバイル通信カード、3Gパーソナルルータ、メディアタブレット(iPadを含むタッチスクリーンのタブレット型情報通信端末)、ポータブルPCがある。
IDC JapanのPC、携帯電話&クライアントソリューション シニアアナリストである木村融人氏は、同市場の今後の見通しについて「2010年のモバイルデバイス市場は、スマートフォン、3Gパーソナルルータ、メディアタブレットがけん引し、1兆2800億円の規模まで市場が拡大する勢いがある。今後もモバイルデバイス市場は拡大基調が続くが、ノートPC分野でマイナス成長を見込んでいるため、成長率は徐々に鈍化し、2014年は1兆4440億円規模になると予測される」とコメントしている。
IDCでは、2010年第2四半期の国内モバイルデバイス市場が、20%を超えるプラス成長となった要因として、アップルの「iPad」により、「メディアタブレット市場が急速な立ち上がり」を見せ始めたこと、また「スマートフォン市場の急拡大」とともにPocket WiFiに代表される「3Gパーソナルルータ需要の拡大」の3つを挙げている。
メディアタブレットに関しては、2010年第2四半期に市場投入されたiPadの効果が大きく、同四半期では50億円以上にまで急拡大している。スマートフォンに関しては、ソフトバンク向け「iPhone」に加え、ドコモ向け「Xperia」等の端末販売が好調で、市場規模は450億円レベルにまで拡大しているという。2009年後半からイー・モバイルやソフトバンクが積極的に販売しているPocket WiFiに代表される3Gパーソナルルータの需要も拡大基調にあり、20億円規模に達しているとIDCでは説明している。
複数のモバイルデバイスが順調に拡大する一方で、2009年に躍進を見せたモバイル通信カード、ミニノートブックPC市場はマイナス成長となっている。この要因としてIDCは、「先進ユーザー向けの市場が一巡」したこと、Pocket WiFiが市場投入されたことで、100円PCの魅力が薄れ「ユーザーの注目度・関心度が大幅に低下」していることが挙げられるとしている。
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