Advanced Micro Devices(AMD)は、2006年のATI Technologies買収によって獲得したグラフィックス製品について、これまで使用していた「ATI」のブランド名を廃止する方針を明らかにした。
プロセッサメーカーのAMDは、グラフィックスカードおよびチップセット市場における立場を強化する目的で、4年前に54億ドルでATIを買収した。AMDは買収したATIをAMD Graphics Product Groupという名称に変更したが、ゲーマーやビデオ愛好家の間で人気の高いATIのブランド名はそのまま残していた。
しかし、ここへ来てAMDは、市場調査の結果や、これから発売する新製品の販売促進について考慮したすえに、今後はAMDの名称だけでも消費者の認知を十分に得られると判断した。AMDによれば、同社は米国、英国、中国などで、ディスクリートグラフィックス製品について「認知」しているユーザー数千人を対象に調査を行ったという。その結果、次の3つの重要な点が明らかになった。
以上の結果はすべて、NVIDIAなどの競合他社と比較したとしても、もはやATIのブランド名を消費者にアピールする必要性はないと考えられることを示している。またこの結果からは、AMDの名前と個々の製品名そのものが重要なセールスポイントになっていることが分かる。
そのうえATIのブランド名には、もはや以前ほどの影響力も知名度もない。ATIのブランド名を今なお冠している製品はRadeonとFireProの2種類のグラフィックスカードのみだが、調査結果の3点目を見る限り、どちらも製品名だけで十分に知名度を確立している。
AMDのブランド名への切り替えは2010年中に開始予定だが、対象となるのは新製品のみだ。既存の製品には引き続きATIの名称が用いられる。
AMDはまた、近く発売予定のプロセッサ「AMD Fusion」を通じて、AMDブランドの下でのAMDとATIの統合を進めようとしている。Fusionは、CPUとGPUを単一のチップ上に統合したもので、サーバおよびハイエンドデスクトップ向けの「Bulldozer」(開発コード名)と、ネットブックおよびローエンドノートパソコン向けの「Bobcat」(開発コード名)の各バージョンがある。Fusionは、2010年末までにAMDの「Ontario」製品ラインとして出荷開始となり、その後、2011年上半期に「Llano」製品ラインが投入される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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