ヤフーがYahoo! JAPANの検索サービスに米Googleの検索エンジンを導入することを決定した。あわせて検索結果画面への広告配信システムもGoogleを採用する。
Yahoo! JAPANはこれまで、米Yahooが開発する検索エンジン「Yahoo Search Technology」を使用していた。国内最大手のポータルサイトがここに来てGoogleを採用することは検索業界にどのような影響を与えるのだろうか。2009年7月に日本再上陸を果たした検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンの社長、森川亮氏に聞いた。
NAVERは検索とコミュニティを融合させた検索サービスと独自のユーザーインターフェースを採用した画像検索が人気を集めている。ヤフーとGoogleという二大巨頭の提携については、「ポジティブにとらえている」とコメントした。
「この件については社内でも議論しましたが、1つ思ったのはGoogleさんの検索エンジンがヤフーさんに入ったということは、NAVERが入る可能性もあるんだなということ。あとはGoogleさんが強くなると、その勢いをなんとかしなければいけないという人たちが僕らのことを助けてくれるかもしれない(笑)」
ライブドアやビッグローブなどに立て続けに導入したNAVER画像検索をヤフーに提供できる可能性もゼロではないということだ。「契約上はGoogleさんの独占ではないようだ」と森川氏は語る。
NAVERの特徴は、ユーザーが協力して検索結果を作る「NAVERまとめ」や、ウェブ上にあるおもしろい情報をクリップする「Pick」など、ユーザーの情報発信を活用したサービスに力を入れている点だ。その背景には、ロボット検索からソーシャル検索への緩やかな変化があるという。
「いまのインターネットは、UGC/CGMのようなユーザーが作るコンテンツが増えており、もはやロボット検索では処理しきれない状態になっています。そうすると検索とソーシャルを組み合わせ、どのように情報を吸い上げて検索結果に生かすかが重要になってきます」
ネイバージャパンは検索サービスを提供しながら、自らソーシャルな要素を持つサービスも作り、さらに他社サービスとも連携していく戦略だ。現在は同じNHN Japanグループとなったライブドアとの連携を検討している最中だ。
「いまのところNAVERが持つソーシャルな情報元としてはNAVERまとめ、Pickがありますが、ライブドアのlivedoor Blogとの連携も進めています。インターネット全体におけるソーシャルな流れはもっと大きくなると思います。いろいろなサービスと融合しながら、便利な環境を提供したいと考えています」
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