IBMは米国時間7月15日、医療および保険事業者向けに技術やビジネスプロセスを開発することを目的とした3年にわたる1億ドル規模の取り組みを発表した。同社の科学者や技術者の協力を得るほか、医療分野での新規雇用を進めるという。
この取り組みの対象としてIBMは、システム統合、サービス研究、クラウドコンピューティング、解析のほかに、ナノ医療などの新しい分野を挙げているが、これは医療従事者が患者の治療に費やす時間を増やしたいと考えているためだ。
IBMはニュースリリースの中で、イスラエルのハイファ、東京、スイスのチューリッヒなど全世界に広がる同社の研究所から、100人以上の研究者による支援を得るとともに、医師、臨床研究者、看護師、技術者、経済学者、社会学者を雇用する計画だと述べた。
最終的な目的には3つの側面がある。治療を個々の患者に合わせて行う方法の開発と、医療の提供方法を簡素化すること、そして提供した医療の量ではなく治療結果に基づいて報酬を与える体系に進化させられるよう、新たなインセンティブとモデルを作り出すことだ。
「医療の質を高めるには、医療データを単にデジタル化する以上のことが求められる」と、IBM ResearchのChalapathy Neti氏は述べている。「医療従事者間の連携を強化し、データを臨床的判断に関わる情報に変換することで、治療の結果を改善し、現在の医療にかかるコストを削減する助けになるかもしれない」
IBMのニュースリリースは、この点をさらに強調している。
長期にわたって患者から蓄積されてきたデジタル情報が大量にあることから、医師がさまざまな情報源からのデータを統合し、解析できるようにすることが重要だ。つまり、患者の統計、実験室のテスト、心電図やエコー映像などモダリティ(医療機器)の研究、専門家の解釈などのデータから患者の状態を総合的に把握し、治療においてより多くの情報に基づいた判断や決定を下せるようにすることだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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