「Android」、タッチ対応は「iPhone」登場後に計画--グーグルの要件資料

Lance Whitney (Special to CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2014年04月15日 12時02分

 Googleは当初、モバイルOS「Android」の開発にあたって、タッチスクリーンのサポートを計画していなかった。その後、Appleの「iPhone」が登場するまでは。

 Appleとサムスンの間で続く法廷闘争の一幕として、「Android Project Software Functional Requirements(Androidプロジェクトのソフトウェア機能要件書)」と題する資料が先週公開されたが、この資料はiPhoneが登場する以前のAndroidのコンセプトを記載したものだった。それによると、初期のAndroidは「Linux」で動作するSun Microsystemsの「Java」をベースとしており、タッチスクリーンのサポートには積極的でなかったようだ。

 米CNETが入手した2006年6月作成のこの資料の中で、Googleは次のように述べている。「タッチスクリーンはサポートされない。このプロジェクトは、独立した物理ボタンの存在を前提として設計されたものだ。ただし、製品のアーキテクチャに、将来的なタッチスクリーンのサポートを根本的に阻むものがあるわけではない」

 だが、タッチスクリーンをサポートしないという方針は、Steve Jobs氏が2007年1月にiPhoneを世界に向けて発表した後に変更されたようだ。

 Fred Vogelstein氏の著書「Dogfight: How Apple and Google Went to War and Started a Revolution」に描かれているとおり、iPhoneの登場後、当時GoogleでAndroid担当のディレクターを務めていたAndy Rubin氏は、すでに開発を進めていた携帯電話をお蔵入りさせた。その携帯電話では、タッチスクリーンキーボードではなく物理キーが使用される予定だった。

 やがて、Googleの「Android」計画書でも、タッチスクリーンのサポートに関して180度の転換が行われた。AppleがiPhoneを発売したのは2007年6月だったが、Googleはその年の11月にソフトウェア機能要件書を大きく改定し、以下の文言を追加した。

 「指で操作するタッチスクリーン(マルチタッチ機能を含む)を必須とする。スタイラスを使った操作はサポートされない」

 AppleInsiderによると、結局タッチスクリーンが実装されるまでには少し時間がかかったという。2008年10月に発売されたAndroid携帯電話「HTC Dream」(米国では「T-Mobile G1」として発売)は、ハードウェア的にはマルチタッチがサポートされていたが、実際にはマルチタッチ入力できなかった。マルチタッチがソフトウェアでサポートされるのは、2009年後半に「Android 2.0」が登場してからのことだ。

 Appleは先週、サムスンを相手取った特許侵害訴訟で弁論を行い、21億9000万ドルの損害賠償を請求した。この訴訟の相手はサムスンだが、Appleは実のところ、Androidの開発にあたって自社のアイデアを盗用したとしてGoogleを非難しているのだ。ただし、この日証言に立ったGoogleのある幹部は、Androidで使用するためにiPhoneの機能をコピーしたことは全くないと述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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