Microsoftは日本時間1月31日、テクノロジー系スタートアップに対し、同社が提供するクラウド環境の「Windows Azure Platform」を初年度無償で提供するプログラム「 Windows Azure for BizSpark Plus」を発表した。
このプログラムは、一定の条件をクリアしたスタートアップが初年度無償でMicrosoftのクラウドの環境を利用できるというもの。次年度も通常の半額で利用ができるが、プログラムが適用される2年間の総利用料金には6万ドルの上限が設定される。2年経過後、もしくはこの上限金額を超えた利用の場合には、別途ディスカウント価格が適用される。
適用にはMicrosoft BizSparkプログラムへの登録が必要で、さらにMicrosoftが指定するインキュベーター(B Dash Ventures、ngi group、Open Network Lab、MOVIDA JAPAN、サイバーエージェント・ベンチャーズ、サムライインキュベート、サンブリッジ グローバルベンチャーズ)の推薦が条件となる。この中からMicrosoftが審査を行い適用企業を選定する。
日本マイクロソフト パートナー&クラウド推進本部の福地洋二郎氏によると、同社がこれまで展開してきた支援制度「BizSpark」「クラウド対応支援プログラム」、そして今回発表されたWindows Azure for BizSpark Plusはそれぞれのスタートアップのステージに合わせて用意された支援策だという。
まず、Microsoftのクラウド環境を試したいというスタートアップに用意されているのが月1500時間までのクラウド環境などを無償提供するBizSparkだ。その次に用意されているのがMicrosoft社員がメンターとなって技術アドバイスなどを行うなど、よりインキュベーション要素が強いクラウド対応支援プログラムとなる。
そして今回発表されたWindows Azure for BizSpark Plusは、より実践的なプログラムという位置づけ。「グローバルレベルで活躍できるスタートアップ創出のため、クラウド環境の提供とともに、サービスが急成長するような個別マーケティング支援をしていくプログラム」(福地氏)
Microsoftの提供するWindows Azure Platformは、レンタルサーバーやAmazon Web ServiceなどのIaaSと違い、OSやミドルウェアなどもパッケージして提供するPaaSの形式をとっている。Microsoft側が管理する範囲が広い分、サービス提供者側の負担はIaaSに比較して軽くなるが、開発者はいわゆる自由なLAMP環境とは違う“Microsoft仕様”に慣れる必要がでてくる。
無償提供の支援策を受けたいが、勝手の違う開発環境に戸惑うことも予想される。そういったスタートアップに対して、「クラウド対応支援プログラムに含まれる技術アドバイスなどの方法で積極的に支援していきたい」(福地氏)という。
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