プロ野球の横浜ベイスターズ買収騒動で話題となっているディー・エヌ・エー(DeNA)だが、同社を相手取り、グリーなど複数の企業が11月にも損害賠償を求めて提訴する予定であることが明らかになった。
ソーシャルネットワーキングサービス「モバゲータウン(現:Mobage)」を運営するDeNAは6月、競合するグリーのSNS「GREE」に対してアプリを提供する開発会社に対して、モバゲータウン上でアプリへのリンクを掲載してもらえないないなど不当な圧力をかけていたとして、公正取引委員会から排除措置命令を受けている。
この排除措置命令の対象となった圧力によって、本来得られはずの収益を失ったとしてグリーやアプリ開発会社、通信関連会社などが、DeNAを訴えるという。グリーでは「損害賠償請求を検討しているのは事実」(グリー広報部)とコメント。賠償額については、「数十億円規模になるのでは」と語る業界関係者もいる。グリーに出資するKDDIにもコメントを求めたところ、「本件に関しては一切ノーコメント」(KDDI広報部)としている。
通常球団を買収する場合、セ・パ両リーグ12球団らによるオーナー会議で4分の3の賛成が必要となる。DeNAに対して、3~4の球団が「出会い系サイトを運営している」という点を理由に買収に反対しているという一部報道もあるが、「同じパ・リーグの球団も反対するのは、出会い系云々が問題ではなく、訴訟のリスクを考慮しているのではないか」(業界関係者)という見方もある。
DeNAでは、訴訟については「現時点では聞いていない」(DeNA広報部)とコメント。また球団買収については「交渉中であるのは事実だが、現時点では何ら決定していない」(同)という。
なおグリーは、DeNAの釣りゲーム「釣りゲータウン2」が自社の「釣り★スタ」に酷似しているとして、2009年にゲームの配信停止や損害賠償を求めて提訴。現在も係争中だ。
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