Appleとサンフランシスコ警察(SFPD)が紛失したリリース前の「iPhone」を捜索したことにめぐっては、今でもはっきりしない部分がいくつかある。警察が発表してきた声明が矛盾していることと、Appleがこの件に関して話すのを渋っていることが、その大きな理由だ。
SFPDは米国時間9月2日、Appleが所有し、サンフランシスコのバーで紛失したリリース前のiPhoneを見つけるために同社の内部セキュリティ担当者が先頃、ある家の中を調べた際、SFPDがそれに「協力」したことを認めた。米CNETは8月31日、紛失したiPhoneをAppleが探していることについて最初に報じた。
Appleはその紛失したデバイスが何だったのか明言することを控えた。しかし、Reutersによると、警察関係者が9月2日夜に「Word」ファイルを通して声明を配布した際、そのファイルには「iphone5.doc」という名前が付けられていたという。
SFPD関係者は米CNETの最初の記事が掲載されたすぐ後、AppleがiPhoneの紛失を届け出たこと、そして、SFPDの警官が同デバイスを探すための何らかの活動に手を貸したことについて、何も記録を見つけることができなかったと主張していた。SFPDは2日午前にも同様の声明を出している。
しかし2日午後になって、SFPDは突如それまでの主張を翻した。Appleの内部セキュリティ担当者がサンフランシスコのバーナルハイツ地区にある家を訪問した際、同警察イングルサイド署の4人もの警官が同行したことをSFPDは遅ればせながら認めた。
その48時間に何が変わって、SFPDは、同デバイスを探すための活動に警察が関与したという情報を見つけることができたのだろうか。
「Appleだ」とTroy Dangerfield警部補は3日午前、米CNETに対して述べた。「われわれは(この捜査記録を見つけるのに)Appleからの情報を必要としていた。同社は2日になるまで、われわれに情報を提供しなかった」と述べた。
Appleは米CNETによる最初の報道の前にコメントすることを控え、ほかのメディアからの問い合わせにも応じなかった。SFPD関係者によると、複数の警官が米CNETの記事の真相を確認するために電話したときも、同社はそれに応対しなかったという。SF Weeklyが2日、Sergio Calderon氏に関する記事を掲載した後で、Appleはようやく今回の件に関してコメントした。Calderon氏は、警察とAppleの従業員が8月末に訪問したのは自分の家だとSF Weeklyに述べた22歳の男性だ。
Calderon氏は、自宅を訪れた6人は全員警官だと信じ込まされていた、と話した。Calderon氏は2人がApple従業員であるとは知らされていなかったという。Calderonさんは同デバイスについて何も知らないと述べたものの、6人から家の中を調べたいと言われ、これを承諾したという。
SFPDのDangerfield氏によれば、警官はCalderon氏の家に入っておらず、同氏の所有物を調べたのはApple従業員で、同デバイスを探す過程において、コンピュータも調べられたという。Calderon氏はSF Weeklyに対し、これらの人物が警官でないと知っていたら、調べには応じなかったと話している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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