米国でMicrosoftは、モバイル向けOS「Windows Phone 7」の次期版(開発コード名:Mango)を5月24日に披露した。Mangoには、ソーシャルネットワーキングとのスムーズな統合や、音声とテキストを相互に変換するハンズフリー向け機能のサポート、アプリケーションをバックグラウンドで稼働中に別のアプリケーションの起動を可能にするなど500の新機能が含まれている。
iPhone(iOS)やAndroidに先行され、MSが満を持して2011年に発売する予定になっているが、日本での展開はあまり語られていない。日本マイクロソフトの2012年度経営方針を7月6日に説明した日本マイクロソフトの代表執行役社長である樋口泰行氏は、スマートフォンをはじめとするモバイル戦略について「致命的とまでは思っていないが、出遅れているのは確かだと思っている。非常に速く変化する環境の中では、ちょっとした遅れが大きいインパクトを与えることは肌で感じている」と語った。
こうした中で、戦略の考え方としては日本マイクロソフトが有するこれまでのパートナーと一緒に取り組んでいく姿勢が示された。樋口氏は「特に日本の場合はPCを作っているメーカーと携帯電話を作っているメーカーとがオーバーラップしている。コンシューマー系とビジネス系のPhoneを1人2台持つわけはない。1人1台ということで、我々のビジネスでこれまで培ったOffice製品などの流れをテコにできる部分もあると考えている」という。
そして、「それ以上のマーケティング施策については着々と進めているが、今日はまだお知らせできる段階には至っていない」と続け、モバイルオペレーター、パートナー、製造メーカー、コンテンツパートナーと連携して、対応アプリやサービスの開発を進めている。分野としてはゲーム、出版、エンターテインメント、各種検索(飲食店や地図情報、ナビ、ショッピング、トラベル)、SNS連携などをパートナーと一緒に開発中だ。
最後に樋口氏は「これ以上の詳細は機会が来たら紹介するが、1者ばかりが先を行っても業界としておもしろくない面があると思うので、ぜひ“盛り上げ”をお願いしたい」と締めくくった。
この一方で、業務執行役員コンシューマー&パートナーグループ コミュニケーションズパートナー統括本部長兼コミュニケーションズインダストリー統括本部長の横井伸好氏は「Mangoは大変よい製品に仕上がりつつある。ユーザーインターフェースが非常に特徴的で、今までのスマートフォンにない新しいコンセプトで作っている。確かに出遅れたというのは事実かも知れないが、スマートフォン市場はまだまだこれからで、市場には大きなパイがある。スマートフォン自身の進化の仕方としてももっともっと大きな可能性があると思っていますので、そこに我々は全力を投入していく」と意気込んだ。
さらに、執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏は開発者へ向けて、「Windows Phoneの大きな特徴の1つがアプリケーション開発のしやすさがある。AndroidやiPhoneにはない開発環境を準備しているし、開発環境はすべて無料で提供する。そして私のチームは全力で開発者の皆様への支援プログラム、施策、トレーニングのすべての活動を統轄しており、どれだけ多くのすばらしいアプリケーションを準備できるかが成功の鍵だと思っているので注力している」とメッセージを送った。
◇お披露目されたWindows Phone“Mango”
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