Business Software Alliance(BSA)の調査によると、2010年における全世界でのソフトウェア違法コピーの損害額は590億ドルという記録的な規模に達したという。
損害額は2009年と比べると14%増えており、2003年比では倍増となっている、とBSAは米国時間5月12日に述べた。2010年の全世界における違法コピー率の平均値は前年比1ポイント減の42%だったとBSAは付け加えた。
BSAの最高経営責任者(CEO)であるRobert Holleyman氏は声明の中で、「ソフトウェア業界は手当たり次第に製品を盗まれている。2010年、約590億ドル相当の製品が違法にコピーされた。世界の新興市場での違法コピー率は完全に制御不能な状態になっている」と述べた。
BSAはソフトウェア業界を代表して活動している。メンバーにはAdobe SystemsやApple、Microsoft、Symantecが含まれる。
ソフトウェアメーカーにとって最も厄介なのは新興市場で、同市場ではソフトウェア違法コピーの半分以上を占める約320億ドル規模の損害が出ている。BSAによると、2010年に世界中で出荷された全てのPCのうち、50%は新興市場へ向かったという。しかし、全ての有料ソフトウェアライセンス売上高にそれらの市場が占める割合は20%以下だ。
BSAの調査で違法コピー率が最も高かったのは中欧/東欧と中南米で、それぞれ64%に達した。アジア太平洋地域は2010年、違法コピー率が1ポイント増加して60%に達した。違法コピー率が最も低かったの21%の北米だった(編集部注: 国別では日本の違法コピー率は前年比1%減の20%となった。2003年の調査開始以来初めて、米国、ルクセンブルクと並び、違法コピー率の最も低い国となった)。
ソフトウェアの違法コピー行為が蔓延する中、BSAの調査結果によると、それが犯罪行為だということを知らない者もいるという。約60%の人はソフトウェアライセンスを1つ購入して、そのソフトウェアを複数のコンピュータにインストールすること(これが最も一般的な違法コピーの手法である)は家庭では合法だと考えている。BSAによると、47%の人は職場においてもそうした行為が合法だと考えているという。
Holleyman氏は声明の中で、「皮肉なのは、あらゆる場所の人々が知的財産権を尊重しているということだ。しかし多くの場合、彼らはソフトウェアを違法に入手していることを理解していない」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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