「Mac対PC」論争で、Appleはこれまで長年にわたり弱い立場にあったが、今はもう違う。
米国時間5月26日、取引時間の終わり近くになって、Appleは時価総額でMicrosoftを抜いた。Appleの株式時価総額は約2220億ドルで、Microsoftの株式時価総額を約30億ドル上回った。Appleは数日前から時価総額がMicrosoftを上回りそうな勢いで、負債などの他の要因を考慮に入れた企業価値という別の指標では、既にMicrosoftを抜いていた。
Appleが企業としての価値でMicrosoftを上回ったという事実は、コンピューティングの歴史における驚くべき情勢の変化を象徴する出来事だ。
少し振り返ってみよう。1997年に、Dellの創業者であるMichael Dell氏は、Appleは会社を清算して株主に金を返すべきだと発言していた。だが現在、Dellの企業価値はAppleの10分の1にすぎない。
同じく1997年に、AppleはMicrosoftから1億5000万ドルの出資を受け入れざるを得なかった。Bill Gates氏が衛星中継でMacworldに登場し、Macへの支援を発表して、ステージ上のSteve Jobs氏を小さな存在に見せたのは、有名なエピソードだ。
もちろん、これらはすべて、「Mac OS X」「iPod」「iPhone」、そして新製品の「iPad」がリリースされる前の話だ。一部の製品は例外としても、Appleはこの10年間、素晴らしい製品をリリースし続けた。
Macの販売台数は、相変わらずコンピュータの総販売台数の10分の1にも満たないが、ここ数年は市場シェアを大幅に伸ばしているうえ、Appleは消費者の間でコンピュータの枠をはるかに超えるブランドイメージを構築している。
一方のMicrosoftはどうかというと、依然として収益性は高いが、投資家とアナリストは一様に、同社が利益の大部分を「Office」と「Windows」シリーズに頼り続けている点を懸念している。同社は携帯電話やオンライン広告などの新事業に何十億ドルもつぎ込んできたが、今のところ、収益を本格的に支える要素にはなっていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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