Googleでは、プロジェクトを停止することは容認されている。それどころか、それを祝うことさえ容認されている。同社の最高財務責任者(CFO)であるPatrick Pichette氏はサンフランシスコで開催されたMorgan Stanley Media and Telecom Conferenceで、出席者にそう話した。
失敗は革新のプロセスの一部である、とPichette氏は述べた。失敗は起こるものだ。しかし、実際にそうなったときは、それまでに達成できたことを祝い、その後で、別のプロジェクトに移行する。Google(そして、ここ数カ月はYahooも)はこれまで、上手くいっていないプロジェクトを躊躇なく停止してきた。Googleはそれに関して、いかなる謝罪もしていない。
Pichette氏は米国時間3月1日のパネルディスカッションで、規制当局による調査や不況の影響など、様々な話題に言及した。
Googleは大企業だ、とPichette氏は述べた。それは間違いない。そして、ここまで大きくなってしまうと、詮索を招くことは避けられない。「それは、成長プロセスの一部だ」とPichette氏は話した。
このコメントは、欧州連合(EU)規制当局のGoogleに対する調査をめぐって、GoogleとMicrosoftが激しいやりとりをした直後に出たものだ。Googleは、広告業界における同社の役割についてEUに不満を訴えたとして、事実上、Microsoftを名指しで批判するブログ投稿を掲載した。Microsoftはこれを受けて、誰が不満を訴えたかは重要でなく、何らかの問題があるかどうかを裁定するのは規制当局であって競合他社ではない、という趣旨のブログ投稿で反撃した。
さらに、Pichette氏はパネルディスカッションの中で、不況の影響があるにもかかわらず、Google社内の雰囲気はこれまでどおり「刺激」に満ちていると述べた。Googleは新製品の発表や新分野への参入を行ったほか、景気が回復したとき同社が成長できるように、いくつかの企業買収も実施した。
「この12カ月、18カ月はわれわれにとって、素晴らしい期間だった」とPichette氏は述べた。
発表された新製品の1つに、「Nexus One」スマートフォンがあった。Nexus Oneはこの不況時にリリースされたGoogleの「Android」搭載携帯電話第1号ではなかったが、携帯電話販売に対するGoogleの新しいアプローチを示すものだった。Nexus Oneは、ほかのデバイスのように携帯電話キャリアが販売するのではなく、Googleが独自に販売を担当する。Pichette氏によれば、Googleはスマートフォンの「水準を向上」させて、「iPhone」以外にも革新的で魅力的なデバイスがあることを消費者に示したいと考えているという。Pichette氏はそれを「benchmark setter(ベンチマークセッター)」と呼んだ。
Pichette氏は最後にGoogleが所有する「YouTube」に言及した。具体的には、YouTubeからシェアを奪っている可能性のある、Facebookにアップロードされる動画に対して、Googleが脅威を感じているかどうかについて話した。動画に関して言えば、Facebookは仲間であり競争相手ではない、と同氏は述べた。実際のところ、FacebookでYouTube動画を共有している人は大勢いる。
「YouTubeは巨大だ」とPichette氏は話した。「われわれは毎週、何らかの広告が含まれた何十億本もの動画を配信している。これは途方もない規模だ」(Pichette氏)
YouTubeが将来の成長の源であることは疑いようがなく、Googleはそれを大きくすることに傾注している。Googleが2009年に行ったYouTube関連の実験とYouTubeに施した変更点の数は、2007年と2008年の合計数よりも多かった、とPichette氏は指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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