Hewlett-Packard(HP)は米国時間2月24日、シンガポールに新しい先進研究施設を開設したことを発表した。これはHPのグローバル共同研究センターとして追加された最新の施設で、同社にとってアジア太平洋地域で3つめ、全世界では7つめの研究所となる。
プレスリリースによると、HP Labs Singaporeは「アジア太平洋地域における開かれた革新の中心地としての役割を果たす予定で、HPの『Everything as a Service(EaaS)』ビジョン推進のための新たな投資先」だという。
HPの「EaaS」は実際のところ、同社のクラウドへの取り組みを表すマーケティング用の言葉でしかない。HPがマーケティングでの差別化のためだからといって「クラウド」という言葉を外したことで分かりづらくなっているかもしれないが、インターネット経由での提供用に設計された多様なソフトウェアを組み込むという、全体的なビジョンは理にかなっている。
研究所は、クラウドベースのサービスに直接関係する8つの主要分野に注力している。具体的には、分析とデジタル商用印刷、情報管理、クラウド、コンテンツ変換、インテリジェントインフラストラクチャ、イマーシブ(没入型)インタラクション、持続可能性の8分野だ。
新しい研究所の開設のほかにも、HPはクラウドコンピューティングを推進する2つの取り組みを発表した。
HPはクラウド(そして、携帯電話でも)分野で他社に後れをとったと強く感じているため、同社独自のテクノロジと社内の研究を発展させるという非常に保守的なアプローチを採用した。HPの社内研究の大半は、未だにコンピュートクラウドではなくグリッドコンピューティングに重点が置かれている。
クラウドサービス向けのハードウェア、さらには仮想化までもが事実上、既にコモディティ化している。クラウド向けソフトウェアにおける革新の大半は、IT業界の古くからの巨大企業ではなく、小規模な新興企業やホスティング企業で起こっている。
もちろん、だからといってHPが他社に追いつけないわけではない。しかし、IBMが企業向けクラウドを自分のものであると主張し、CAが3Teraのような有望な新興企業を何社も買収し、Microsoftが遂に「Azure」を発表し、Amazonがクラウド分野を支配している状況を考えると、HPの前途は多難だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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