ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」を提供するミクシィは2月5日、2010年3月期第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比10.5%増の34億1600万円、営業利益は26.3%減の7億円、経常利益は27.3%減の6億9400万円、純利益が29.9%減の3億2000万円だった。
増収減益となった要因は2009年8月に開始した「mixiアプリ」。mixiアプリは外部のアプリケーションプロバイダがmixiの友人関係を活用したアプリをmixi内に提供できる仕組みだ。
「サンシャイン牧場」(登録者数約449万人)や「マイミク通信簿」(同約342万人)、「まちつく!mixi版」(同約256万人)などの人気アプリが登場したことで、mixiアプリのPVが急増した。だが、これにともないサーバ費用などのコストがかさんだ。
またミクシィは「mixiアドプログラム」を通じて、mixiアプリのページビュー(PV)に応じ、1PVあたり0.01円から0.05円の広告収入をアプリケーションプロバイダに分配している。この費用も想定を上回り、利益を圧迫したという。
アドプログラム費用は第3四半期が3億円だったが、第4四半期は5億円にまで膨れ上がり、通期で8億円となる見通し。アドプログラム費用が当初予想を6億5000万円、サーバ費用が1億5000万円上回るため、2010年3月期通期の連結利益予想を下方修正した。営業利益を26億円(前回発表予想32億円)、経常利益を25億5000万円(同32億円)、純利益を12億7000万円(同17億円)とした。
それでもミクシィ代表取締役社長笠原健治氏は、「先行きは明るい」と話す。「mixiアプリのPV、ユーザー数が当初想定よりも前倒しで伸びている。そこに見合った収益化にはもう少し時間がかかると思っている」としながらも、「アプリは課金、広告から伸びていく。広告自体もソーシャル化し、大きな収益規模になっていくだろう」
取締役経営管理本部長の小泉文明氏も「いまが一番投資しているタイミング」と強調した。mixiアプリに加え、来年度以降の登録制も見据えた投資判断だという。
mixiアプリの課金への取り組みは、2009年11月にmixiペイメントAPIを公開し、2009年12月下旬から一部アプリが対応したばかり。来期はmixiのソーシャル性を生かした課金サービスや広告商品「ソーシャルアド」による収益化を図る計画だ。
mixiの会員数は2009年12月末時点で1858万人。同月の月間PVはモバイル版が224億8000万PV、PC版が51億3000万PVの合計276億2000万PVだった。
月間ログインユーザー数は12月が1257万人だった。この数字は初めて公開されたが、より利用実態を反映した重要指標として扱っていくという。「これはあくまでmixiにログインしたユーザーで、モバイル、PCにかかわらず、家、職場にかかわらず1人としてカウントされる。シビアな指標だが、しっかり追って公表する」(笠原氏)
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